当サイトについて 採用ご担当者様
会員登録はこちら 求人検索

建設技術者向けNEWS

建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!

  • 安衛経費調査/対策・費用 5割が明示なし/会社利益削減し確保も

     国土交通省は24日、「建設工事における安全衛生経費の確保に関する実務者検討会」を開き、安全衛生経費に関する調査結果(速報)をまとめた。発注者(注文者)が提示する見積もり条件の中に、安全衛生対策の内容や費用が明示されていない割合が5割超に上るなどの実態が明らかになった。次回以降の会合で、調査結果を基に下請けまで適切に支払われる施策を検討し、年末までに検討内容をまとめる。 実態調査は建設企業約2万社に対して、ことし3月11日に回答を依頼。5月17日までに元請け約1000社、中間次下請け約400社、最終次下請け約300社の計1700社から回答があった。主な調査内容として、安全衛生にかかる費用の社内ルールや、受注工事における安全衛生経費の支払い、下請への発注発注工事における安全衛生経費の支払いなどについて質問した。

     

     安全衛生にかかる費用の社内ルールがあると回答したのは、元請け、中間次下請けともに3割にとどまった。元請けの過半数は工事ごとに検討、中間次下請けは工事ごとに検討と注文者の指示が3分の1ずつだった。従業員が少ない企業ほど社内ルールがない傾向も確認された。

     

     安全衛生対策のための費用の算定方法については、元請けの58%、中間次下請けの49%が「直接工事費など特定の費用区分の総額に一定率をかける」と回答。「細目ごとの積み上げ」と「総額に一定率をかける」を両方使っていると回答した企業もそれぞれ2割程度存在した。

     

     安全衛生対策のために費用が含まれている費用区分は、直接工事費、共通仮設費、現場管理費など多くの区分にまたがっているとすべての階層が回答している。

     

     安全衛生経費の支払いについては、見積もり条件の中に、発注者から具体的内容、経費の提示がなかった割合はすべての階層で5-6割に上った。また、全体の3分の1が見積書を提出する際に、社内で算定した金額より削ったと回答。そのうち、元請けの49%、中間次下請けの60%は安全衛生対策のための経費を含む金額を削っている。

     

     見積もり条件で提示されていなかった新たな安全対策を提案した場合は、回答数が少ないものの、元請け、中間次下請けともに8割程度が認められたと回答した。一方で、認められなかった企業の過半数は会社利益を削って確保。1割以下の割合であるが、安全対策の実施を取りやめる企業もあった。

     

     検討会ではこうした実態を踏まえ、適切な費用確保のための業種ごとのチェックリストの作成や、統一的な積算方法の提示、民間発注者を含めた広報活動など対策について、具体的な検討を進める方針だ。

    残り50%
    ログインして続きを読む 会員でない方はこちらよりご登録ください

    掲載日: 2019年6月25日 | presented by 建設通信新聞

前の記事記事一覧次の記事