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  • 竹中工務店/1部屋丸ごと免震化/一体フレームが揺れ吸収

     竹中工務店は、新たな耐震メニューとして、1つの部屋(床・壁・天井)を丸ごと免震化する「部屋免震システム」を開発した。地震の揺れによる設備機器の転倒や、床・壁・天井の損傷など室内の被害を最小限に抑えることができる点が特徴。事業継続を念頭に、シビアな室内環境が求められる医療・研究施設や、代替が利かない防災センターなどへの適用を見込む。

     

     部屋免震システムは、床・壁・天井を一体としたフレームの下部に免震装置を設置する。地震の揺れに対して、部屋全体が水平にゆっくりと移動することで、設備機器の転倒や床・壁・天井といった室内の損傷を防ぐ。

     

     安全性の確保だけでなく、室内の気密性や空気環境(清浄度)を維持できることから、シビアな室内環境が求められる再生医療やバイオ関連施設の事業継続に効果を発揮することになる。

     

     同社は2018年に吊り下げ式の部屋免震システムを開発しているが、この新型システムの追加によって、部屋の用途に合わせた柔軟な提案が可能になるという。

     

     免震エリアの外からの出入り口に免震エキスパンションジョイント、配管ダクトに免震継ぎ手を設置。非免震エリアとの変位差を吸収する仕組みとし、システム(床・壁・天井を一体としたフレーム)の周辺にある免震クリアランスや床下のスペースはメンテナンスや空調を制御するためのスペースとして有効活用する。

     

     居ながら改修など、既存建物への導入が容易な点も特徴となる。一般的に煩雑な工事や振動、騒音などへの配慮が必要となる既存建物における課題をクリアしたことで、付加価値の高い新たな耐震メニューとして注目を集めることになりそうだ。

     

     実際に神戸市にあるシスメックスのバイオ診断薬拠点 「テクノパーク イーストサイト」のクリーンルームに初めて適用。その効果を実測・検証した結果、 空気の清浄度や気密性などで高い性能を維持・ 確保できているという。

     

     今後、従来の床のみの免震システムにおける課題を解消した新たな耐震メニューとして、気密性などで特にシビアな対応が求められる再生医療・バイオ関連施設などへの幅広い展開を目指していく。

     

     7月3日から東京江東区の東京ビッグサイトで開催されるインターフェックスジャパンでもクリーンルームを丸ごと守る「部屋免震システム」として紹介される見通し。

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    掲載日: 2019年7月1日 | presented by 建設通信新聞

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