建設技術者向けNEWS
建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!
-
天然石材調建材「T-razzo」開発/高炉スラグで低CO2/大成建設
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【環境配慮コンクリに新展開】
大成建設は、低コストで意匠性に優れた天然石材調の建材「T-razzo」を開発した。セメントの代わりに産業副産物である高炉スラグを用いる点が特徴。セメント使用量がゼロとなることから、製造の過程で発生するCO2排出量を最大で約80%も削減することができるという。環境配慮型の新たな建材(擬石)として注目を集めることになりそうだ。
「T-razzo」は、昨年11月にリニューアルした同社・技術センター「次世代研究開発棟」(横浜市)のエントランスピロティと屋外階段に初めて適用した。同社が環境負荷の低減を目的に開発を進めてきた環境配慮コンクリート「T-eConcrete」の1つとしてラインアップされる。
混ぜ込む種石の種類や顔料(着色料)、表面の研磨の度合いなどで豊富なバリエーションを生み出すことができる特徴を生かしながら、内装・外装の仕上げ材や外構資材などに適用範囲を拡大。積極的な提案を行うことで、今後の普及を狙う。
建設分野でも持続可能な環境配慮型社会への貢献が求められる中で、希少となりつつある天然石を使用する代わりに天然石の素材に似せた、いわゆる擬石を建物の内装や外装の仕上げ材として使用するケースは多い。
しかし、セメント系の材料を使用する従来の擬石は、天然石のような優れた意匠性を実現するために、顔料による着色が良好かつ容易な白色セメントを使用するのが一般的。とりわけ、その白色セメントがすべて海外からの調達に限定される(国内で製造していない)現状から、製造に要する材料コストが割高になってしまうという課題があった。
その課題を解消する手段として、高炉スラグなどを用いて、CO2排出量を抑制する同社の環境配慮コンクリートの技術を活用。「T-eConcrete」のラインアップの1つとして、新たに天然石材調の建材「T-razzo」を展開していく。
特にCO2の削減率が高いセメント・ゼロ型を採用(高炉スラグを使用)することで、CO2排出量の削減と材料費の低コスト化を実現。硬化体の色が白い(顔料による着色性に優れる)というメリットを生かしながら、低コストかつ意匠性にも優れたコンクリート2次製品として内装や外装の仕上げ材、外構資材としての積極的な展開を見込む。
残り50%掲載日: 2019年7月5日 | presented by 建設通信新聞