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  • 連載・進化する技術センター(4)/大成建設

    【建築工事の生産性を向上/AIでセンター業務も効率化】

     

     建築分野でも喫緊の課題である人手不足に対応するため、業務の効率を高める開発が進んでいる。人手が減少する工種に対応するロボットの開発に加え、管理ツールなどの改善といった、ハードとソフトの両面から現場の生産性向上につなげている。さらに技術センターの研究開発でも、AI(人工知能)やICTなどの活用が広がり、働き方改革の実現へ成果を上げている。

     

     建築分野の生産性向上に向けては「人とロボットの共働」をコンセプトに、「T-iROBO」シリーズを積極的に展開し、鉄骨溶接や鉄筋結束、清掃など各種作業の効率化を図っている。

     

     なかでもコンクリート床仕上げロボット「T-iROBO Slab Finisher」は適用実績を着実に積み重ねている。リース会社によるリース・販売体制も構築しており、「1社だけでやるのではなく、世の中に広めていく」(上野純技術センター先進技術開発部長兼次世代建設技術開発室長)ことで業界全体の効率化に寄与していく考えだ。

     

     今後は、ALC(軽量気泡コンクリート)板の建て込みや耐火被覆の吹き付けなど作業員が減少している工種を対象にロボット化への開発を加速させ、建築工事全体の生産性向上をより一層推進する。

     

     ハードと並行して、管理者の生産性を高めるソフト開発も重視する。その1つが杭施工管理システムで、施工時のデータをクラウドに集約して一元管理することにより書類作成など管理業務を支援する。

     

     建築現場では杭工事が工期全体に与える影響も大きく、繁忙度も高いことから専門工事業者も巻き込んで開発を進めた。上野部長は「ハードとソフトの両面で課題を解決することで、初めて生産性向上が実現する」と強調する。

     

     研究開発でも「働き方改革に向けて各分野での省力化やAIを使いこなすこと」(坂本成弘技術センター都市基盤技術研究部長)を注力事項に挙げる。建物周辺の風環境予測へのAIの活用はその一例だ。

     

     従来の縮尺模型による風洞実験や数値シミュレーションでは約1カ月を要していた解析を数秒まで大幅に短縮するなど、大きな効果を上げている。

     

     坂本部長は「AIを有効に活用し、社員の業務効率の改善も図っていきたい」とし、技術センターの研究員の生産性も高めていく。

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    掲載日: 2019年7月10日 | presented by 建設通信新聞

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