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現場全体の効果把握/国交省 生産性向上の取組・課題分析/都道府県、大規模市で平準化促進
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>国土交通省は、i-Constructionを始めとする生産性向上に向けたこれまでの取り組みとその効果・課題を分析し、今後の方向性をまとめた。維持修繕などICT対象工種の拡大や都道府県と人口10万人以上の市を中心とした平準化率の向上促進、BIM/CIMの適用拡大などを提示。個別の取り組みだけでなく、現場全体で生産性がどのように向上しているか、具体的な導入効果の把握に向けた検討も進める。
ICT施工の対象となる起工測量から電子納品までの延べ作業時間については、土工で約3割、舗装と浚渫工(河川)で約4割の縮減効果が確認できた。また、浚渫工では出来形測量により、別途実施する水路測量を省略することが可能となった。
維持・修繕工事では、20年度から舗装工で適用を開始するが、その他の工種については適用が進んでいない。今後は、そうした工種への拡大に向けた検討に取り組む。
18年度の直轄工事におけるICT活用工事の公告件数は1948件。そのうち、実施件数は約6割に当たる1105件だった。実施率は年々、増加しており18年度は57%に達した。都道府県・政令市におけるICT土工の公告件数は2428件で、実施件数は523件だった。件数は増加傾向にあるものの、実施率は22%にとどまっている。
中小規模工事におけるICT活用を普及させる観点から、先進的にICTを活用しているトップランナー企業のノウハウを共有する機会を設ける。活用経験の少ない企業に先進的な取り組みを周知することで、分かりやすくメリットを訴求していく。
現場施工におけるプレキャスト製品の効率性(m3/人日)は現場打ちと比べ、L型擁壁(高さ3m)で2.2倍、同(高さ5m)で5.2倍、ボックスカルバート(内空高さ2m、内空幅2m)で1.8倍となった。コンクリート工の効率を高める方法としての有効性が確認された。
他方、プレキャスト製品に使われたセメント量は、全販売量の約14%にとどまり、直近5年間は同水準で横ばい傾向が続いている。今後は、ハーフプレキャスト、サイトプレキャストや大型化など現場に適した活用の促進を進めていく。
平準化率(年度の平均と4-6月期の平均稼働状況の比率)に関しては、国交省、都道府県、政令市、市区町村のすべての区分で改善傾向にある。しかし、18年度の国交省の平準化率が0・85であるのに対し、比較的規模の小さな工事の多い市区町村の平準化率は0・55にとどまっている。
自治体の平準化率のさらなる向上に向けたアプローチとして、まずは一定規模の工事契約件数のある都道府県、人口10万人以上の市に対して、重点的に施工時期の平準化の取り組みの実施を働きかけていく。
BIM/CIM活用業務・工事件数は、12年度に橋梁・ダムなどを対象に導入して以降着実に増加してきた。18年度は212件(設計業務147件、工事65件)で実施しており、19年度は400件の実施を目指している。
今年度から設置したi-Constructionモデル事務所において実施する3次元情報活用モデル事業で、重点的に検討する項目を設定し、3次元データ利活用ルール策定の加速化を目指す。
残り50%掲載日: 2019年7月18日 | presented by 建設通信新聞