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  • 大林組・次世代施設/高層耐火木造実現へ剛接合仕口ユニット

    【新研修プログラムを構築】

     

     大林組が計画している次世代型研修施設では、梁・柱接合部の剛性・耐力という木造高層建築を実現するための課題に対し、3層構造の「金物を使わない剛接合仕口ユニット」を開発し、適用する。目指すべき将来像を共有する場、人材育成・技術伝承、イノベーションを起こす出会いと自由闊達(かったつ)なコミュニケーションを生み出す場をコンセプトとし、かつてない研修プログラムを実践する場となる。

     

     国内で木造建築物を建設するに当たってハードルとなるのは耐火構造だ。同社では、木材の荷重支持部材に石こうボードや燃えしろ層の木材を巻く耐火木造建築技術「オメガウッド(耐火)」で3時間耐火の認定を取得。これを構造部材として使う。

     

     さらにRC造と同等のスパンで中高層化する際に大きな課題となるのが、梁と柱の接合部の高剛性化・高耐力化だ。今回、開発した「金物を使わない剛接合仕口ユニット」は、接合具を接着剤で木材に固定するGIR工法でLVL(単板積層材)の柱と梁を接合した十字型部材で、単板の繊維方向を縦と横の交互に組み合わせた「超厚物合板」の梁とLVLの柱を貫構造で組み合わせた十字型部材を挟み込む3層構造となる。3層構造の十字型部材の梁をLVLでつないだラーメン構造で壁面をつくる。1階床下には玉面すべり支承を設置し、免震構造とする。

     

     施工では、国産木材の切り出しから運搬、施工までのサプライチェーンの最適化や、軽量という木材の良さを生かした既存地下躯体の活用なども進める。木構造振興と日本住宅・木材技術センターによる「CLTを活用した先駆的な建築物の建設等支援事業」に採択されたほか、国土交通省のサステナブル建築等先導事業にも申請している。

     

     建築計画では、外部とつなぐプロモーション、自由なコミュニケーションを生むイノベーション、利用者の体の健康に寄与するウェルビーイングの3点をテーマに設定した。1フロアに宿泊室とナレッジスペースを配置し、建物内外の吹き抜けなど多様な空間をつくり上げる。WELLなどの認証を取得するため、風通しや日照などを取り込むデザインや、上下空間の柔軟なつながりなどにも配慮する。センサーや利用者の好み設定などを組み合わせて個人別に最適な環境を提供する「WellnessBOX」(ウェルネス・ボックス)の宿泊施設版も導入する。センサーなどのほか、利用者のバイタルデータも活用して最適空間を提供できるようにする。

     

     研修施設を活用し、従来型の部門別、階層別の研修だけではない、年齢やグループを超えた目指すべき将来像を実現するための新しい研修プログラムを構築する。社内だけでなく、イノベーションに向けた大学や他企業と議論する場としても活用する考え。

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    掲載日: 2019年7月23日 | presented by 建設通信新聞

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