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  • 清水建設/洋上風力トップシェアへ/SEP船建造で営業強化

     清水建設は、世界最大級、高効率の自航式SEP船を建造する。日本ではことし4月に洋上風力新法が施行され、洋上風力発電市場の急速な拡大が見込まれる中、既に欧州では大型とされる6-8メガワット級の洋上風車による発電施設が商用化されている。また、欧州の発電事業者と風車メーカーは、将来、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)に頼らなくても事業採算が確保できるように、9-12メガワット級の超大型風車の計画を進めている。日本でも今後の発電単価の削減と限られた建設海域での事業規模・採算を勘案すると、欧州同様に8メガワット級以上の風車が必須となってくる。

     

     現在、日本には8メガワット級以上の風車建設に対応できるSEP船はない。欧州から大型SEP船を傭船すれば対応可能だが、現地での需要が高く確保は容易ではない。そこで同社は、日本国内で計画されている洋上風力発電施設のEPC(設計・調達・建設)受注を目指し、世界最大級の搭載能力とクレーン能力を持つSEP船の建造を決めた。

     

     SEP船による洋上風車の施工手順は、 始めに風車の基礎を先行施工する。続いて、風車のタワー、 ナセル(駆動部)、ブレード(羽)をSEP船に搭載・運搬し、基礎上に据え付ける。 建造するSEP船は8メガワット風車なら7基、12メガワットなら3基分の全部材を一度に搭載でき、予備日をみても8メガワット風車の場合は7基を10日、 12メガワットの場合は3基を5日で据え付け可能だ。

     

     また、太平洋側の特徴である10秒程度の長周期波浪(うねり)でも、船体のジャッキアップ・ダウンが可能であり、既存のSEP船に比べ5割程度高い稼働率を発揮できるように設計している。

     

     SEP船の建造計画に当たっては、2018年10月からオランダの設計会社GustoMSCの協力を得て仕様検討・設計を行い、建造はジャパンマリンユナイテッド(横浜市、千葉光太郎社長)に発注した。運航管理については、多数の作業船を保有している深田サルベージ建設(大阪市、山本寿生社長)などの協力を得て体制を構築する。

     

     井上和幸社長は24日、東京都中央区の同社で記者会見し、「発電事業者に対して、積極的な営業展開を図り、5兆円超と試算される洋上風力発電施設の建設工事市場で、トップシェアの確保を目指していきたい」と述べた。

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    掲載日: 2019年7月25日 | presented by 建設通信新聞

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