建設技術者向けNEWS

　パスコは２４日、米国のデータアナリティクス大手、ヴェリスク・アナリティクス（ニュージャージー州、スコット・スティーブンソンＣＥＯ）と、グローバルな視野での空間情報を活用した革新的ソリューションの共同開発を目的に、協業分野の本格的検討と戦略的パートナーシップ提携に向けた覚書を締結した。日本・アジア地域を中心に、地理的・社会的特性や各国のビジネスニーズを踏まえた空間情報ソリューションの開発に向けて共同で検討を進めていく。

　ヴェリスク社は、米国で高精細な航空写真ライブラリーとＡＩ（人工知能）を活用した画像認識により、損害保険業界向けのリスク評価や損失シミュレーションなどの空間情報とデータ分析を組み合わせたサービスを提供している。連結売上高は２６３０億円。連結従業員数は約８３００人。

　パスコは連結子会社であるキーストーン社（米国ペンシルバニア州）の全出資持分をヴェリスク社傘下のジオムニ社に譲渡することを同日の取締役会で決議。これを受けて両社の協業関係の構築に発展した。ジオムニ社はヴェリスク社の傘下でデータ整備を担う会社として２０１７年に設立され、全米を網羅する航空撮影ネットワークの構築を目標に掲げて米国内で多くの航空撮影業者を統合している。

　パスコは今回の株式譲渡と覚書の締結により、全米における航空撮影事業をジオムニ社に委ね、人工衛星やＭＭＳ（モービル・マッピング・システム）などを活用した収集技術と加工・処理技術でヴェリスク社との革新的ソリューションの共同開発や協業分野の本格的な検討に着手する考えだ。