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活用、評価される機会を/登録基幹技能者/待遇改善し“取りたい資格”に
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>建設キャリアアップシステムの本格運用に合わせ、登録基幹技能者の意義について再び注目が集まっている。登録基幹技能者は同システムの最高位に位置付けられているにもかかわらず、その技能を活用し評価される機会が限られているため、給与を始めとする待遇面に反映されず、資格取得へのモチベーションが薄れているという現状が背景にある。技能労働者の高齢化、若手不足が顕在化する中、専門工事業が産業として健全に発展していく上で、キャリアパスを見通せることも重要な要素となっている。
7月31日に開かれた建設産業専門団体連合会(才賀清二郎会長)と国土交通省本省との意見交換会で、建専連の岩田正吾副会長は「登録基幹技能者に関し、職人は取らされる資格だと思っている。その理由は対価につながらないからだ」と説明。“取りたい資格”に変えていくには所得の増加とともに、有資格者だからこそ「この仕事ができるという誇りを感じさせてあげたい」と本来的な目的を強調した。
また、「働き方改革などのすべて(の政策)が他産業を基準としている」と前置きした上で、目指すべき具体的な給与水準に触れ「鉄筋工について言えば、登録基幹技能者の中に1000万円プレーヤーがいて当たり前だと思っている。特定技能外国人労働者の活用が活発化していく中、その部分をマネジメントしていくことも求められるだろう」との見解を示した。さらに「例えば、日当5万円20日出勤で年収1200万円といった待遇が(実現し)外部に発信できれば、若い人たちが働きたい産業として認識してくれる」と加えた。
向井敏雄日本機械土工協会会長は、「既に1000万円を稼ぐ職長はいる。一定以上の年収は若手定着の基本的な要因になる」と述べた。
日本型枠工事業協会の三野輪賢二会長も要望した。登録基幹技能者数は地域・職種によって偏りはあるものの、総数は年々増加し6万7000人を突破。国交省が設定した長期目標数を既に達成していることから、「設計図書への登録基幹技能者配置の明記」を求めた。北海道開発局の試行事例を紹介しながら、「すぐに配置を義務化するということではなく、(各社が)育成してきた登録基幹技能者がどの程度品質に寄与するかを実際に見てほしい。いまは評価する制度が何もない」と窮状を訴えた。登録基幹技能者の評価制度が存在しないことで「建設キャリアアップシステムが絵に描いた餅になりかねない」と危惧(きぐ)した。
国交省の青木由行土地・建設産業局長は「この業界を良くしていくために売り手(下請企業)が強い市場をつくっていかなければならない。一定の経験や資格を持った技能労働者が競争力をしっかりと発揮できる環境をどうやって構築していくかを一緒に考えていきたい」と述べた。
残り50%掲載日: 2019年8月1日 | presented by 建設通信新聞