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  • 清水建設、王子HD/仮設資材に紙素材適用/トンネル風門でコスト半分

     清水建設と王子ホールディングスは、軽量で加工性の高い紙素材を土木現場の仮設資材に利用する技術を「KAMIWAZA」と名付けて、現場に適用する。山岳トンネルの風門に適用した結果、高所作業車だけで6人が半日で組み立てられ、コストは従来工法の約半分に縮減できた。

     

     段ボールなどの紙工品は、おもに梱包材として利用される一方、強度や耐候性の問題で、建設資材として活用されることはほとんどない。ただ近年、強度、耐火性能、耐水性能に優れる高機能紙素材が製品化され、建材への適用可能性が高まってきた。清水建設では、現場環境下での段ボール材の耐候性を検証してきた。その結果、現場の湿潤環境下で吸湿・乾燥を繰り返した場合でも、内部に大きな劣化が見られず、仮設資材に求められる耐候性が期待できることを確認した。

     

     使用する紙工品は、王子インターパック製の特殊強化段ボール「ハイプルエース」。重量物の包装資材として利用される3層構造の段ボール材で、衝撃吸収性能と強度に優れており、内部に空気層の空洞があるため、保湿・遮音性能がある。ハイプルエースを長崎県内の道路トンネル現場に仮設するトンネル風門として初めて適用した。貫通時の急激な風の流れを止める風門は、鋼材などの部材をクレーン車で揚重するのが一般的だが、事前に構築した支保工に1m四方の段ボール部材を人力で固定し、約100㎡の仮設壁を組み立てた。

     

     これまでも、トンネルやダムなどの土木現場でも、防音壁などの仮設防音設備、骨材貯蔵設備の温度上昇を抑える遮熱シートにも紙素材を適用してきた。今後は、吸水性能を合わせ持つ王子キノクロス製「ハトシート」なども活用し、現場ニーズに応じた仮設の構築を進める。

     

     清水建設では今後もKAMIWAZAシリーズのラインアップを拡充し、現場の生産性向上と持続可能な社会づくりに向けたSDGs(持続可能な開発目標)への貢献を進める。

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    掲載日: 2019年8月28日 | presented by 建設通信新聞

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