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  • 中間貯蔵施設/作業員の被ばく抑止へ自立型清掃ロボ導入/大成建設 省人化でリスク軽減

     大成建設は、福島県双葉町で進める「中間貯蔵(双葉2工区)土壌貯蔵施設等工事」に、2016年に開発した自立型清掃ロボット『T-iROBO Cleaner』を導入。受け入れ・分別など処理の過程で建屋の内部に飛散する除去土壌の清掃を無人化した。作業員の清掃作業に要する拘束時間を短縮することで、被ばく線量を低減させることが狙い。

     

     除染によって発生した「除去土壌」を貯蔵する中間貯蔵施設は、受入・分別処理施設や処理土壌置き場・運搬設備、土壌貯蔵施設などで構成。仮置き場から輸送してきた大型土のう袋(除染廃棄物)を処理施設(建屋)で破袋して分別。可燃物(草木・土のう袋)と土壌に分別処理した後、土壌貯蔵施設に運び出して貯蔵するというプロセスを踏む。

     

     分別処理の過程で日常的に建屋の内部に飛散する除去土壌の清掃が行われるが、「安全かつ確実な受入・分別処理」を重視する中で、作業員の被ばく線量の抑止が必要と判断。無人で清掃作業を行う「自立型清掃ロボット」の導入に踏み切った。

     

     『T-iROBO Cleaner』は、空間的に周囲の状況を判断するセンサー(レーザーレンジファインダー)を搭載。カラーコーンとバーで区画された作業エリアを自ら判断して、適切な位置に移動しながら自律的に清掃を行える点が特徴となる。

     

     大型のリチウムバッテリーにより長時間の連続稼働が可能であることから、作業員は清掃作業の開始と終了のみ立ち会えば、あとはロボットが自動で清掃を行う。清掃作業における作業員の被ばくリスクを解消。とりわけ夜間など通常の作業が行われていない時間帯に適用することで、徹底した省人化を実現できるというわけだ。

     

     仮に64㎡(8×8m)を作業員が人力で清掃する場合、約30分の作業時間を要することになるが、清掃ロボットにおける作業員の拘束時間は電源オン・オフの約5分程度。この拘束時間の短縮によって被ばく線量を5分の1にまで低減できるという。

     

     中間貯蔵施設への適用に特化した新たな機能として放射線測定器を付加。回収する除染土壌の周辺の空間線量率に応じて3色(緑=作業継続、黄=保護具の再確認、赤=作業の一時中止)の“パトランプ=警戒度”が点灯する「空間線量率の見える化システム」を搭載するなど、作業員の被ばく対策の徹底に力を入れていく。

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    掲載日: 2019年9月19日 | presented by 建設通信新聞

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