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  • 生コン打設 GWに前倒し/五輪期間混雑で大手ゼネコン検討

    【出荷量減からの資金繰り不安も】

     

     2020年夏季東京五輪開催に伴う交通混雑への対応が建設業界にとって課題となる中、五輪期間中の生コンクリートの打設作業を同年5月のゴールデンウィーク(GW)中に前倒す動きが出てきた。一部の大手ゼネコンが検討を始めており、東京地区生コンクリート協同組合の会員も対応を求められている。また、五輪期間中の出荷量が減ることで生コン業者の資金繰り悪化にも不安が出てきた。

     

     同協組の斎藤昇一理事長は、現下の生コン需要について「いったん都内の建設需要が落ち着き、19年度上期の生コン出荷量は前期比2割減となっている」とするものの、「今秋から五輪前後にかけては、こなせなくなるほどの注文が入っている地区もある」と、今後一気に生コン需要が増加すると予測しており、五輪期間と生コン出荷がバッティングする可能性が高い。

     

     7月に東京都が実施した「スムーズビズ」の集中取組期間における交通規制では、「川崎方面や埼玉方面から都内の環状7号線内側に流入する生コン車が、搬送に通常の1.5倍から2倍の時間がかかり、渋谷では2時間をオーバーして引き返さざるを得ない現場もあった」と会員が大きな影響を受け、本番に向けて早期の対応策決定が不可欠な状況だ。

     

     大手ゼネコン幹部が、「(五輪期間中は)鉄骨や建材などの場合、夜間に搬出入や作業する工程を組むことはできるが、生コンだけは(搬送時間などの制約があるため)どうしようもない」と指摘するように、生コン打設が五輪期間中に当たる現場での対応に頭を悩ませる。このため、「生コン打設だけは、GWに前倒しして、五輪期間中は休止することも検討している」とする。

     

     東京生コン協組にも、「GWに打てるものは打っておきたい」との要請が入り始めている。同協組が20年4月以降の祝祭日出荷特別割増料金とそのキャンセル料を引き上げるのは、これまでは「年間4-5件程度」だった祝祭日の生コン搬入が、GWへの前倒しによって20年に増加することも念頭に置いているとみられる。

     

     また、「生コンの原材料が交通規制で届かなくなる可能性もあるが、影響がはっきり見えない」との不安もあり、「出荷量が五輪期間中に大幅に落ち込むだろう。会員の中には資金繰りに影響が出る会社が出てくるかもしれない」ことから、「対応を考える必要性を認識している」とする。

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    掲載日: 2019年10月7日 | presented by 建設通信新聞

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