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急ピッチで進む粗締切/地元工務店、被災も道路啓開急ぐ/復旧工事は鹿島、大成
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>台風19号に伴う大雨で長野市を南北に流れる千曲川左岸の一部が決壊し、同市穂保(ほやす)地区に水が流入して大きな被害をもたらした。13日にも水の流入が続き、陸路で同地区に入れるようになったのは、14日の朝になってからだった。地区内では地元の工務店が道路の啓開を進めていたほか、堤防上では粗締切の作業が急ピッチで進んでいた。今後、堤防決壊部分では鹿島と大成建設が復旧工事に取りかかる。
千曲川の西側を南北に走る「アップルライン」は自動車の通行が制限され、全国各地の警察や消防の職員が住民の救助、交通整理などに当たっていた。地区内は、水を多く含んだ泥が膝丈まで堆積しているほか、腰の高さまで浸水したままの場所も多く、被災者の捜索・救助活動を阻んだ。
堤防の決壊付近から西側に700mほどの場所に事務所・作業所を置く高坂工務店の高坂浩隆代表取締役は、「堤防が決壊するまでは大丈夫かなと思っていたが、決壊したので慌てて見に来たが、水がいっぱいでたどり着けなかった」と当時の様子を語る。14日朝には、友人らが駆け付けて、事務所周辺の道路の啓開を始めた。「この地区だけ窪んだような地形になっており、なかなか水が引かない」と水と泥が侵入した事務所と作業場に目をやり、言葉を失った。啓開した事務所周辺の道路は、決壊地点まで徒歩でたどり着く陸路となり、付近の住民らが利用していた。堤防の決壊地点にほど近い住宅を清掃していた住民は、「堤防の近くにあった家が3軒丸ごと跡形もなく流された」と衝撃の大きさを語る。
堤防上では、既に決壊部分の上流側と下流側にバックホウが、川からの水の再流入を防ぐための粗締切とみられる作業を進めていた。上流側の堤防上で作業するバックホウを監督していた北條組の社員とみられる技術者は「もうずっと作業をしている」と、被災直後から作業に当たっていることを説明した。
堤防の決壊部分の復旧工事は、鹿島と大成建設が当たる見込みで、堤防内側に鋼矢板の二重締切を幅5m、長さ200mにわたって設置する予定だ。
残り50%掲載日: 2019年10月16日 | presented by 建設通信新聞