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大深度地下水/採取時間10分の1に/アサノ大成基礎エンジ/高精度に微生物分析
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>オリエンタルコンサルタンツグループのアサノ大成基礎エンジニアリング(東京都台東区、平山光信社長)は、大深度の地下水を従来方式の10分の1程度の時間で採水する技術と、地下水に含まれる微生物を分析する手法を開発し、特許を出願した。高レベル放射性廃棄物の地層処分候補地選定や大深度地下構造物構築の際の地下水調査で活用できる方法として、各方面に提案する。
原子力発電所の廃炉などで発生する高レベル放射性廃棄物について政府は、大深度の地層に安全な方法で埋める方向で候補地選定などを進めている。ただ、強固な容器に入れた廃棄物を地層に埋めても、地下水が流動していると容器が影響を受ける可能性がある。より安定的に処分するためには、数万年から数十万年の単位で地下水が流れていない環境が求められる。こうした地層は、深さ数百m以上で、極端に地下水が少なく、わずかに染み出る水をほかの水と混ざらないようにしながら採水する必要がある。ただ、通常のポンプによる採水では、採水区間の水で太い配管が満水になるまで待たなければならず、時間と手間がかかる。
今回開発した地下水採取技術は、採水用の配管を細くし、上部から圧力をかけ、採水区間に近い位置に設置した採水管で水を採取する。地層から染み出す程度の水量でも効率的に採水できるため、作業時間が従来のポンプ式の10分の1程度に短縮できる。水量が多く、加圧が不要な場合は、ポンプでも採水できる。
また、地下水の数万年・数十万年単位での流動状況を調べるには、地下水に含まれる微生物の歴史を調査する必要がある。通常は採取した水を実験室まで運搬して分析するものの、運搬中に微生物が活性化し、地下水に含まれていた状態を維持できない場合がある。
新たに開発した手法では、採水現場に仮設ラボを設け、微生物との見分けが付きにくい金属イオンの抑制工程を実施するほか、予備分析を現地で実施し、 分析に最適な採水量を現場で決定して採水作業を円滑化する。さらに、実験室で実施する計数、群衆構造分析、群衆構成解析の各工程に合わせ、 微生物の活性を抑制する前工程処理も現場ラボで実施する。 これにより、実験室での分析精度が向上する。
残り50%掲載日: 2019年10月24日 | presented by 建設通信新聞