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技術裏表・BiM Architects/自社仕様に合ったBIM環境構築/施工用 『AX-SC』11月初旬にリリース/自動化機能が充実、設計時間を半減
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>BiM Architects(ビム・アーキテクツ、東京都目黒区、山際東社長)が提供する『Revit』のアドオンツール『AReX-Style』が注目されている。日本の仕様に即したBIMプラットフォームを提供し、独自の情報定義「AX-Style(アレックス・スタイル)」(設計仕様や基準)により、各社が“自社の設計ルールに合わせたBIM環境”を容易に構築できるのが特徴だ。さらに設計図面、3次元モデル、仕上表などを自動作成することで、設計時間を半減する効果を期待できる。
これまでBIMを先行して導入してきた設計事務所やゼネコンは、図面や建具表などの設計図書を自前で作成できるまでに多くの時間とコストをかけてきた。BIMは簡単なモデリングはすぐにできる半面、3次元モデルや図面などを自社仕様にするには多くのノウハウが必要になるからだ。AReX-Styleは、同社がBIM黎明期から蓄積してきたノウハウをツール化し、各社の仕様で簡単にモデル化できる機能を搭載している。ユーザーが最初から自分たちの設計手法に沿ったBIM環境を構築できるのが最大のポイントだ。
具体的には、AX-Style(仕様情報)に建築のマテリアルの下地や仕上げ、建具、ファミリなどの情報を定義し、各社の仕様に沿ったBIM設計を実現する。ファミリのパラメータもAX-Style側に定義することで、メーカー支給のファミリにも簡単に対応。オリジナルのファミリも500点以上そろえ、年間120点ずつ追加している。
AX-Styleをプラットフォームに、Revitの各種属性情報や仕上表、2次元図面(平面詳細図、断面詳細図、展開図、伏軸図)、3次元モデル(意匠、構造、設備、外構)を相互連携し、図面を自動作成・修正する。仕上げ表、建具表、展開図など図面全体の50-80%を自動化できるという。
例えば、プランニング段階では、平面図の線分を認識して 3次元モデルを瞬時に作成する。各部屋の面積やコストをExcelで集計する際もマテリアル、ファミリ、部屋などの情報を利用して簡単に概算し、日本基準に合わせて小数点第3位の桁処理を自動で行うなど設計者の負担を軽減する。日本の設計仕様に沿ったモデリングなど、さまざまな自動化機能を搭載している。
山際社長は「BIMでも2次元プランニングの良さがある。2次元から3次元モデル作成を自動化することでシームレスに情報を構築でき、施主を含め関係者の判断スピードを速くする」と説明する。さらに社内仕様に合わせてBIMモデルを自動作成できることで確認や判断も速くなる。「基本設計段階でも実施設計レベルの詳細度を1日で自動作成できるので、コストの確認も早期に行える」とAReXによるフロントローディングの威力を語る。
BIMデータの詳細度はLODではなく、「インテリジェントデザイン」(iD)と定義し、企画設計(iD100)、基本設計(200)、実施設計(300)、監理モデル(400)、竣工情報(500)に区分しているのも特徴だ。
設計と施工の連携を強化するため、施工段階のツール『AReX-SC』の開発も進めている。BIMモデルを活用した工程情報などの管理に加え、足場など仮設の自動配置、タイルや目地の自動割付、壁や天井の下地の自動作成など施工の精度を高める機能を搭載する。11月初旬にリリースする予定だ。
ユーザーの教育やサポート機能を充実させるため、AReX-Styleのマニュアルも作成した。「Revitを操作できる人であれば2日でAReXを使える」という。また、同社が設計業務を代行し、依頼した企業の仕様に合わせたテンプレートを作成し、BIM利用環境を構築するマネジメント事業も行っている。
山際社長は「2カ月もあればBIMの事業を立ち上げることができる。BIMテンプレートの社内普及にも役立つ」と語る。10月25日に開催したArchiFuture2019でも展示と発表を行った。
残り50%掲載日: 2019年10月28日 | presented by 建設通信新聞