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  • 吹き付けコンクリート/従来2倍以上の超高強度/大成建設 厳しい地山条件で効果

     大成建設は、世界最高クラスの強度を持つ吹き付けコンクリート「T-HPSC100」を開発した。脆弱(ぜいじゃく)な地盤や高い圧力が作用する地盤などの厳しい地山条件を有する山岳トンネル工事への適用を想定している。従来技術の2倍以上となる“超高強度”を実現。従来技術での対応が難しい現場であっても安全かつ効率的な施工を進めることが狙い。

     

    2407-2「T―HPSC100」の特性

     

     世界的な総合化学メーカー「BASF」の日本法人であるBASFジャパン(石田博基社長)、太平洋セメントグループのセメントメーカーであるデイ・シイ(神長俊樹社長)との共同開発となる。

     

     最大の特徴は、従来の吹き付けコンクリートの2倍以上(1平方mm当たりの設計基準強度72ニュートン〈N〉、実強度100N)となる“超高強度”。地山条件が厳しい場合、従来技術の強度レベルだと支保工を二重にするなどの対策が必要だったが、超高強度の吹き付けコンクリートを用いることで、その手間を解消。二重支保工が不要になるなど、施工の効率性を飛躍的に高めていく。

     

     粉体急結剤を利用する従来の吹き付けコンクリートは、付着性が低いという課題もあったが、液体急結剤を使用することによって優れた付着性を実現。付着せずに落下する「はね返り量」の抑制によって、材料のロスをなくすことができるというメリットもある。

     

     一般的に1平方mm当たり100N以上の超高強度コンクリートは、その粘性の高さから吹き付け材料としての使用が困難であったが、新たに開発した専用の吹き付け材(HPSプレミックス粉体)によってコンクリートの流動性(低粘性)を確保。既存の吹き付け設備・装置での施工が可能である点も大きな特徴となっている。

     

     液体急結剤を適用することから、施工によって生じる粉じん濃度を従来の吹き付けコンクリートとの比較で約3分の1にまで軽減。良好な作業環境を構築できるだけでなく、施工性の向上や材料ロスの低減によって、従来方式と同等レベルのコストで最大50%程度の大幅な工期短縮も見込めるという。

     

     既に従来の吹き付けコンクリートとの性能比較(実証実験)でその優位性などを確認。従来方式で対応できないような厳しい地山条件を有する山岳トンネル工事であっても、安全かつ効率的な施工を可能とする有効な技術ツールとして「T-HPSC100」の適用を積極的に提案していく。

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    掲載日: 2019年10月29日 | presented by 建設通信新聞

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