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  • 大手ゼネコン5社/BIMのフロントローディング進む/都内イベントで事例報告

     大林組、鹿島、清水建設、大成建設、竹中工務店の大手ゼネコン5社は、東京都江東区のTFTホールで25日に開かれたイベント「ArchiFuture(アーキフューチャー)2019」で、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)活用の最新状況を紹介した。施工の効率化や手戻りの防止、関係者の認識共通化などに大きく寄与している事例を説明。フロントローディングと連携なども進んでおり、建設プロセスの劇的な変革につながるとの期待感も示された。

     

     イベントの主催は、松家克ARX建築研究所代表が委員長を務める実行委員会。「現場所長が語るBIM/ICT活用による施工現場の革新」と題したパネルディスカッションが行われ、▽杉本直樹大林組東京本店アクアティクスJV工事事務所所長▽北村浩一郎鹿島関西支店オービック御堂筋工事事務所所長▽岡本貴行清水建設東京支店虎ノ門トラストシティワールドゲート建設所副所長▽島津幸二大成建設札幌支店作業所長▽山崎裕昭竹中工務店九州支店作業所副所長-の5人が登壇。コーディネーターを池田靖史慶応大学教授が務めた。

     

     鹿島の北村氏は、BIMモデルとMR(複合現実)を活用した施工支援システムを導入した取り組みを説明し、「若手でも品質管理のぶれを少なくすることができる」と語った。「使い方を広げることで建設プロセスを劇的に変革させると期待している」と述べた。

     

     BIMモデルに時間軸を付与して工事の進め方などを分かりやすく提示しているのは竹中工務店。山崎氏は「4D化で統一した出来形をイメージできる」と語るとともに、BIMソフトを操作できる人材育成の重要性も強調した。

     

     大成建設の島津氏は、BIMデータを用いたVR(仮想現実)のデジタルモックアップを作成し、病院の建築工事の検討に活用する事例などを紹介。ゲームエンジンによる独自のVRシステムとなっており、「ゲームなど異なる分野との連携も重要だ」とした。

     

     清水建設の岡本氏は「手戻りが少なく、検討時間を短縮できた。改善効果が間違いなくある」と指摘した。鉄骨と設備との干渉確認や、設備担当企業との調整などにBIMを活用しており、経験が浅い若手社員の理解促進などにも大きな効果があるという。

     

     大林組の杉本氏は、活用する資材にQRコードを貼り付けて、工場からの出荷や現場での据え付けなどを管理して効率化を図っている事例を紹介。「BIMやICTを使って、魅力ある職場に結び付けられれば良い」との見解を示した。

     

     今後の展望では効率的な維持管理への活用や鉄筋加工などとの連携、フロントローディングによる配置技術者の削減などが挙げられた。課題には設計と施工が分離した案件でのコスト回収などが挙がった。

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    掲載日: 2019年10月29日 | presented by 日刊建設工業新聞

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