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  • 大規模災復法を適用/6ヵ所で道路事業着手/政府/台風19号

     政府は29日、台風19号に大規模災害復興法を適用した。同法で規定する「非常災害」に指定する政令を閣議決定した。被災した地方公共団体が管理する施設で、国や都道府県が権限代行によって災害復旧事業を実施することが可能になった。この仕組みに基づき、国土交通省は宮城、福島、群馬、長野、神奈川県の計6カ所で道路の災害復旧事業に同日着手した。東北と関東の両地方整備局が担当する。

     

     同法は、大規模災害の被害を受けた地方公共団体の要請に基づき、災害復旧事業を国や都道府県が代行できるようにしている。対象施設は漁港、道路、海岸保全施設、河川、下水道、空港、港湾など。同法の適用は2016年の熊本地震に続いて2例目。

     

     対象個所は、宮城県が県管理の国道349号(丸森町耕野不動~舘矢間山田の延長約14㎞)、福島県が県管理の国道289号(いわき市田人町旅人下坪~南大平辺栗の延長約800m)、群馬県が県管理の国道144号(嬬恋村大笹の延長約500m)、長野県が県管理の国道361号(南箕輪村北沢山地内の延長約300m)と東御市管理の市道白鳥神社線(東御市本海野地内の延長約500m)、神奈川県が相模原市管理の国道413号(相模原市緑区青野原~青根の延長約1.3㎞)。原形復旧を直轄で行う。

     

     被害状況は、国道349号が全線にわたって土砂が堆積し、29カ所で法面崩壊や路肩流出などが起きている。国道289号は土砂崩落と道路欠損が発生。国道144号は、橋台が流出して鳴岩橋(橋長44m)が落橋したほか、道路が崩壊した。

     

     国道361号は、権兵衛峠にある権兵衛トンネルと権兵衛2号橋の接続部分で、橋台背面の土砂が崩落した。復旧は技術的に難易度の高い工事になる見通し。市道白鳥神社線は、海野宿橋(橋長69m)で橋梁流出と橋台崩落が起きるとともに、道路が崩落した。この影響で、しなの鉄道の運行が不通となっており、早急な復旧が求められている。

     

     国道413号は、湯口沢橋手前と境沢橋手前の2カ所で道路が崩壊した。20年の東京オリンピックでロードレースのコースとなるため、直轄で復旧を急ぐ。

     

     赤羽一嘉国交相は29日の閣議後会見で、「本日から現地作業に着手させていただき、一日も早い復旧を目指し、引き続き全力を尽くす」と力を込めた。

     

     国交省は道路に先立ち、河川法に基づいて堤防が決壊した個所など4県が管理する河川の復旧工事を代行している。大規模災害復興法の適用により、道路や河川以外も国や都道府県が代行できる状態となったため、被災した地方公共団体の要請次第で、権限代行を実施する対象施設が拡大する可能性がある。

     

    激甚災害にも指定

     

     政府は29日、台風19号を含む11-14日の暴風雨と豪雨による災害を激甚災害に指定する政令を閣議決定した。地域を限定しない本激に指定した。公共土木施設や農地の災害復旧事業の国庫補助率かさ上げや、公立社会教育施設と私立学校施設の災害復旧事業に補助を行うなど、11項目の措置を講じる。11月1日に公布・施行する。

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    掲載日: 2019年10月30日 | presented by 建設通信新聞

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