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東宏/コンクリ吹き付け技術検証へ「模擬トンネル」建設/実物大で実証試験実施
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>東宏(札幌市東区、小林雅彦社長)は、トンネル工事の技術的な課題を解決するため、北海道千歳市に実物大の「模擬トンネル」を建設し、技術実証などを行っている。コンクリートを吹き付けた本格的な仕上がりで、開発済み製品の施工性や安全性のさらなる向上に役立てている。ゼネコンを対象に実証実験の見学会を開くなど、技術開発にも活用してもらう考えだ。
模擬トンネルは延長約20メートル、断面積約70平方メートルの規模。チザキ機工(北海道千歳市、斎藤尚之社長)の資機材ヤードに東宏が2014年に整備した。建設のきっかけは、安藤ハザマと共同開発したコンクリート給水養生工法「アクアカーテン」の検証。均一に養生水を流すための最適なホースの本数を導き出した。
防水シートに穴を開けずに鉄筋が組める非貫通型鉄筋つり具「Kプレート」(鹿島と共同開発)の施工方法の確立にも用いた。
模擬トンネルはベニヤ板で覆われている。実証試験の結果について、トンネル技術者から「平らな面のあるベニヤ板だからうまくできたのでは」との指摘を受けた。そこでベニヤ板を剥がし、波付き成型を施したコンクリート止め型枠(キーストーンプレート)を張ってコンクリートを吹き付けた。
施工中、天端にクラックが生じて沈下。変位を抑えるためフレーム解析を行い、両端に根固めコンクリートを打ち、天端をH鋼で補強した。小林社長は「初日に100ミリ、次の日に50ミリ変位した。トンネル現場の所長の気持ちが分かった」と振り返る。
18年11月にコンクリートで覆われた本格的な模擬トンネルが完成した。蛇腹折りしてロール状に巻いた「長尺防水シート」(大林組と共同開発)の実証試験に活用。作業性や要求性能を確保できることを確認した。「実現場で施工性などを実証するのは難しい。模擬トンネルを使って、関係者みんなが施工台車の上で知恵を出し合った」と小林社長。模擬トンネルによる技術開発の有用性を説く。
東宏では自社開発する製品だけでなく、他社の技術開発にも模擬トンネルを活用してもらう考えだ。11月21日にはゼネコンのトンネル技術者を対象に、長尺防水シートの実証試験の見学会を開く。小林社長は「(模擬トンネルを)広く門戸を開けてレンタルする。トンネルを仕事にしている会社にどんどん使ってほしい」と話している。
残り50%掲載日: 2019年11月12日 | presented by 日刊建設工業新聞