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  • 話題縦横/国交省が建設業女性活躍へ11団体152社の取組み調査

    【9割が前向きな姿勢示す/出産・育児など休業期の人員確保が課題/労働時間の見直し、ハード面の整備必要】

     

     国土交通省は、建設業における女性活躍推進に関する取り組みの調査結果をまとめた。女性活躍推進の新計画の作成に向けて、現行の計画策定に携わっていない団体や企業を対象に調査を行い、現状を正確に反映させる狙いだ。調査では女性活躍を推進することで、企業や団体にとって好影響を及ぼすとの認識が多い一方で、出産や育児など休業期間中の代替要員の確保など人員体制面での課題が引き続き挙げられた。仕事と家庭を両立できる労働時間の見直しやトイレ、更衣室などのハード整備を両面で進めつつ、実際に活躍する女性のロールモデル(手本)で実績を積み重ねていくことが強く求められる結果となった。

     

     調査対象は、現行の「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」の策定に当たった建設5団体(日本建設業連合会、全国建設業協会、全国中小建設業協会、建設産業専門団体連合会、全国建設産業団体連合会)を除く11の建設業団体とその会員企業152社。

     

     現行計画の認知度については、11団体中10団体が、計画が策定されたことを知っていると回答したものの、計画の内容を知らない団体は全体の45%に上った。企業単位ではさらに認知度は低く、45%が策定されたことを知らないと回答し、計画の内容まで知っている企業は25%にとどまった。

     

     適切な計画が策定されても、それが認知されなければ取り組みは広まらないことから、新計画では普及するための広報活動に取り組む。2024年までに新計画の内容の認知度100%の実現を目指す。都道府県単位で活動しているすべての団体の建設産業女性活躍ネットワークへの加入も目標に設定した。

     

     女性活躍推進が団体や企業に及ぼす影響についての問いでは、すべての団体と7割超の企業がイメージアップにつながると回答した。企業におけるダイバーシティー(多様性)推進の契機や就職を希望する女性の増加にもつながるという回答の割合も高く、経営面でのメリットを認識している結果が出た。

     

     実際に女性活躍推進の取り組みを行っている企業は63%だった。今後行う予定としている25%を合わせると9割近い企業が前向きな姿勢を示している。一方で、採用や登用に関する自主的な数値目標を設定している企業は37%。男女問わず人手不足のため、女性だけの採用を優先する状況にないことが理由として上げられた。

     

     職場環境については、会社内での設備の整備は進んでいるものの、女性に適した安全保護具の用意や現場の女性専用トイレの設置といった現場の環境整備に取り組んでいるのは半数以下となっている。

     

     女性活躍を推進する上での課題を聞くと、団体、企業ともに「力仕事など女性が担当できる仕事が限られている」「休業期間中の代替要員の確保」といった回答が多かった。「託児所の不足」「勤務時間の問題」「環境整備のコスト」「男性や経営者などの理解」といった意見もあった。

     

     そうした現状を踏まえ、女性活躍の支援のために効果的な取り組みとして、「家庭との両立に配慮した始業・就業時間など労働時間の見直し」と、「トイレ、更衣室、作業着、工具など女性に適したハード環境の整備」が必要との回答が団体、企業ともに多数を占めた。休暇取得に向けた環境整備や女性のロールモデルづくり、離職後に復帰しやすい環境づくりを挙げる回答もあり、複合的に取り組みを行う必要があることが分かった。

     

     調査で挙がった意見を踏まえ、新計画には長時間労働の是正など働き方改革の推進や男性の育児休業取得促進などの意識改革、建設キャリアアップシステムと連携したロールモデルの構築といった取り組みを盛り込む。ロールモデルの構築は、復職時の登用で不利にならないよう、建設キャリアアップシステムに蓄積された技能情報の活用などを想定する。

     

     女性の就業者を増やす取り組みは、「活躍している女性のPR」が65%で最多だった。産休・育休など制度面の充実や長時間労働の是正といった回答も多く、継続して働けるライフプランを示すことが、採用増につながると考えている企業が多い。

     

     新規入職者を増加させる視点から新計画には、女性に選ばれる産業を目指すため、i-Constructionと建設キャリアアップシステムを取り入れた新しい建設産業の魅力を創造・発信することを明記する。建設業経理士など女性が活躍している仕事例も積極的に紹介していく。

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    掲載日: 2019年11月14日 | presented by 建設通信新聞

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