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  • 大成建設/リニューアル需要に布石/パノラマ技術で新サービス/高精細な3Dモデル蓄積

     大成建設は近年、注目を集めている「パノラマ技術」を活用した新サービスの提供に乗り出す。市販の赤外線スキャンカメラ(3次元)とクラウドでの画像合成(4K画像)によって、建築物の内部空間を「4K×3D」の高精細な画像データ(3次元モデル)として保存。その画像データを効果的に用いることで、今後の増大が見込まれるリニューアル需要に備えていく。 新サービスは、米国のマーターポート社が販売する既存の3次元の赤外線スキャンカメラと画像合成クラウド(4K画像)を活用する。

     

     4K×3Dの高精細な画像データを用いることで、例えば、建物内部の3次元でのウォークスルー(空間体験)や、建物の現状と作成した3次元モデルの比較による設計・施工の事前検証(プレコンストラクション)が可能になる。

     

     画像データを残すという点に着目すれば、社会的な価値が高い伝統建築物のリニューアルやリノベーションなど、ストック型社会の到来に対する将来への布石としても機能を発揮することになりそうだ。

     

     実際に直感的で分かりやすい3次元モデル(画像データ)は、その使い方によって活用の場面は幅広い。発注者、施工者、設計者など関係者による打ち合わせに活用すれば、これまで必ずしも正確ではなかった意図伝達をよりスムーズに行えるだけでなく、合意形成における手間(時間)を削減。焦点となっている生産性の向上に役立つ。

     

     ベースとなるパノラマ技術を建設現場や建設工事における生産システムに組み込んでいくことで、企画から設計・施工・維持管理、その先のリニューアルに至るまで、建物のライフサイクルコスト全体で“総合サービス”を展開できるというわけだ。

     

     既存建築物の3次元モデル(画像データ)を残しておけば、リニューアルやリノベーションを検討する際に現状と新たに作成した完成モデルを照らし合わせながら、施主により詳細なイメージを提示することが可能。それが歴史的な建築物のリニューアルであれば、象徴的な空間をより正確に再現することができる。

     

     データの保存に社会的な意義があるとすれば、高精細な3次元モデルを保存・蓄積する新サービスの展開は生産システムの効率化だけでなく、建物の所有者にとっても大きな意味を持つ。ストック型社会に対応するツールの1つとして、今後のサービス展開に注目が集まる。

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    掲載日: 2019年11月14日 | presented by 建設通信新聞

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