当サイトについて 採用ご担当者様
会員登録はこちら 求人検索

建設技術者向けNEWS

建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!

  • 山岳トンネル覆工コンクリ/打設、締固めを自動制御/高品質で苦渋作業解放/清水建設と岐阜工業

     清水建設は、山岳トンネル工事の生産性・安全性向上と品質管理の高度化を目的として、岐阜工業と共同で覆工コンクリートの自動打込み・締固めシステムを開発した。和歌山県日高川町で施工中の湯浅御坊道路川辺工事(発注者=NEXCO西日本関西支社)に20日からシステムを導入し、標準配合(中流動コンクリート)による覆工コンクリート打設に適用する予定だ。

     

     熟練の技能労働者の大量離職が懸念される中、山岳トンネル工事の覆工コンクリート施工は、技能労働者が狭あいな作業空間の中でコンクリートの打ち込みや締め固めなどの作業に従事しており、作業負荷を軽減するための対策が求められている。また、品質面でも締め固め状況の判断などを熟練技能労働者の経験と勘に依存する状況にあり、品質確保も重要な課題となっている。そのため清水建設は、作業員を苦渋作業から解放するとともに、施工品質の均質化を図るシステムとして、自動打設システムを開発した。

     

     システムは、型枠バイブレーターとコンクリートセンサーを各所に配置したセントルと、セントル端部からコンクリートを充填(じゅうてん)する自動打ち込み装置で構成されている。システムの特徴は、センサーが検知した定量データを基に、コンクリートの打ち込みから締め固め、打ち止めに至る一連の打設作業の進捗を自動制御することだ。

     

     コンクリートの打ち込みには、打設の進捗に応じてコンクリート配管の切り替えや打ち込みノズルの移動を自動制御するマニピュレーター装置を利用する。マニピュレーター装置は、2本の打ち込みノズルを備え、セントル端部の鋼製枠に設けた打込み口の下部から上部へと順にノズルを移動させながらコンクリートを充填していく。

     

     各打ち込み口から圧送されたコンクリートの打ち込み高さが所定の位置まで達したことをセンサーが検知すると、その場所での打ち込みが完了し、打ち込みノズルが上部の打込み口へと自動的に移動する。

     

     一方、充填したコンクリートの締め固めには、型枠に設置したバイブレーターを利用し、型枠自体を振動させることでコンクリートを締め固める。完了のタイミングは、センサーが計測したコンクリートの圧力や温度、型枠の沈下量などのデータからシステムが判断する。これにより、打設作業の省人化・省力化、技能者の技量に依存しない定量的な指標に基づく品質管理が可能となる。

     

     システムの省人化効果については、打設作業に従事する人員を6人から2人に縮減できる見込みという。

     

     清水建設関西支店の木村厚之統括工事長は「覆工コンクリートの打設は2020年5月までに終了する予定だ。2号機をソフトとハード面で、どのように改良していくか考えていきたい」と話している。

    残り50%
    ログインして続きを読む 会員でない方はこちらよりご登録ください

    掲載日: 2019年11月18日 | presented by 建設通信新聞

前の記事記事一覧次の記事