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  • スコープ/中村建設(浜松市)と小野建設(福島県相馬市)/インフラ補修市場開拓へ

     ◇流動化処理土で協力/東北初のプラントも稼働
     
     浜松市に本社を置く中村建設(中村仁志社長)と、福島県相馬市の小野建設(小野貞人社長)が協力し、建設汚泥を処理した流動化土の供給を進めている。流動化技術と特許を保有する中村建設が処理工法「LSS工法」を提供。小野建設は同社と共同企業体を編成して福島県新地町に専用プラントを設置し、東北地方の土木工事現場に向けて出荷する。遠く離れた両社の思いは安全と環境、そして復興。手を携えた地方建設企業の挑戦を紹介する。(東北支社・鴨志田隆之)
     
     流動化土処理工法は1990年代、建設副産物(残土)の活用を目的に国と民間が共同で研究開発に取り組んだ。流動化処理工法研究開発機構(LSS)をはじめプロジェクトに参加した企業約20社が共同特許の実施権を持ち、中村建設もその1社として名を連ねている。
     
     同社による研究成果は、AGS(粒度調整)式流動化処理(LSS)工法を生み出した。この技術は、多様な性質を持つ建設発生土をブレンドして粒度調整した原料土から、品質の高い土構造材料を製造するというものだ。水より比重が重く透水係数が低い処理土は、管路施工の埋め戻しやクラックなどへの充てんに使った場合、締め固めの必要がない。中村建設の地元・静岡県内では5カ所のプラントが稼働している。
     
     同社はさらに、汚泥を活用するLSS工法である濃縮泥土流動化処理の技術開発に力を入れた。流動化処理土の製造には土(残土や汚泥など)、水、固化剤が必要だが、この技術では砕石洗浄濃縮汚泥を用いる。
     
     同社の平田昌宏環境事業部長によると、発生場所ごとに品質が異なる一般の残土と違って砕石汚泥は含有成分が均質で、汚泥自体で固化剤以外の大部分を賄える。このため「処理土の生産コストも抑えられることがメリット」という。
     
     この方式を基に、小野建設と共同企業体を結成して整備したプラントは、1日当たり最大160立方メートルの生産能力を持ち、ミキサー車で現場へ搬送する。東北での施工は15年度から実証作業も含めて進められており、岩手県釜石市の水道管敷設、仙台空港臨空工業団地での道路下ボックス埋め戻しなどに活用された。

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    掲載日: 2017年8月22日 | presented by 日刊建設工業新聞

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