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建設論評・入職促進・離職防止メッセージのポイント
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>和食に携わる外食関係者の中に「和食離れが続いている」「和食の担い手が足りない」と口にする人がいる。洋食や中華に押されている背景には、和食の魅力を十分に伝えられず、担い手づくりが遅れていたことに加え、長く厳しい指導というイメージが若者たちを和食から遠ざけてきたようだ。守りから攻めに向けて和食を見つめ直す動きが広がりつつあるそうだ。
職業に就くということは、生活維持の手段(お金を得て人間らしく生きる)、個性発揮の場(自己実現)、社会的役割の実現(社会に役立つ)という観点があるようで、給与や福利厚生など待遇面の充実だけでは、会社への愛着心や、やる気の喚起は難しいとも言われている。最近の就業意識調査でも、就職の際に収入よりワークライフバランスや社会貢献を重視する学生が多いそうだ。
冒頭の内容は建設業も似た様相だが、離職とか担い手不足という課題解決の1つとして、さまざまな職業の中でも頂点群に位置する建設業ならではの社会的な役割や貢献度の高さに気付かせ、若者の職業や仕事観を揺るがすメッセージの発信が大事だと考える。災害大国と呼ばれ甚大な被害を被った昨今、発信する内容、手段を再度検証し整理する好機と捉えたい。
ヒントになるポイントは身近にある。令和元年の建設産業人材確保・育成推進協議会の作文コンクール「私たちの主張~未来を創造する建設業」の国土交通大臣賞受賞作2点、土地・建設産業局長賞受賞作2点から拾い上げることができる。
「従事者の『誇り』が働く人の人間性を豊かにしている」「地域や社会に役に立っている」「人を笑顔にしたい」「ありがとうの声」「仕事の内容ではなく、仕事の意義や建設に携わった人たちの『思い』を伝える」「人は、表面的な話なんて感動しない。苦労を乗り越えた事実に触れたときに感動する」「達成感」「奥の深い仕事」「裾野の広さ」「文系出身でもできる」などである。具体的体験談は有無を言わせない説得力を持っているとも触れている。他産業との相対的な事柄ではなく、絶対的価値観を訴えることで受容されると考える。採用時の基本的要件のほか、従前の3K(きつい・汚い・危険)の現状と業界全体の将来像の発信も大事である。
現状をおさらいしておきたい。米ギャラップの2017年の社員の士気調査で日本は「熱意あふれる社員」の割合は6%で、米国の32%を大きく下回る。世界137カ国のうち132位と下位に位置する。さらに「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」が21%、「やる気のない社員」も70%を超えているという。また日本生産性本部のことしの新入社員の特性として「人並みに働けば十分」(63.5%)、「好んで苦労することはない」(37.3%)、「人並み以上に働きたい」(29.0%)は過去最低。働く目的は、「楽しい生活」「経済的に豊かに」が計68%、一方、「自分の能力を試す」は前年より0.5ポイント上がり、10.5%に。厚生労働省によると18年度の建設業の入職超過は2万2500人だが、3年以内の離職率は直近で大卒者のそれは産業平均を下回るが高卒離職率は孤立化などで46.7%と高いそうだ。(次)
残り50%掲載日: 2019年11月26日 | presented by 建設通信新聞