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都市のミライ・大深度地下 非開削で拡幅/東京外環中央JCT
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>国内最難関の土木プロジェクトと言われるのが、東京外かく環状道路の関連工事である「中央JCT地中拡幅工事」。地下40m以深の大深度空間を非開削で切り広げるのは国内初の試みだ。未知の領域に挑むには、新たな発想による技術や工法が絶対条件となる。全4工区で設計業務の契約が結ばれるなど、2014年に検討が始まった事業が大きく動き出した。
本線トンネルの競争参加者(◎は受注JV)
地中拡幅工事の競争参加者(◎は優先交渉権者)
【国内最難関土木への挑戦/複雑な地盤、求められる新技術】
地中拡幅部とは本線シールドトンネルとJCT・ICからの連結路(ランプ)のシールドトンネルを分岐・合流させる個所。2つのトンネルを非開削で切り広げて接合するには、複雑な工程を克服するための高度な技術が求められる。地中拡幅工事の発注公告資料にも、「これまでに前例のない新たな技術を活用した施工方法となる可能性が高い」と記されている。拡幅部は中央JCT付近に4カ所つくり、1カ所につき延長300-400mを施工する。直径約16mの本線トンネルを上回る大断面を構築するため、地中拡幅にはより技術的難易度が高い施工が求められる。
“最難関”の理由の1つが厳しい地盤条件にある。中央JCT地中拡幅工事は、市街化された都心部の大深度地下をフィールドにしている。施工場所付近は透水性が高い帯水層が多く分布する東久留米層や舎人層などが存在。厳しい地盤条件下で、確実な安全性と健全性が求められるためだ。
学識経験者や国土交通省、NEXCO東日本、NEXCO中日本の関係機関で構成する「東京外環トンネル施工等検討委員会」の場で構造や施工技術について検討を重ねるとともに、技術提案交渉方式の採用など、事業者と契約手続きをするまでに多くのステップを踏むのも本工事の特徴だ。ゼネコン各社の“本邦初公開”となる新技術が投入される可能性も高く、注目が集まっており、今後、地下でトンネル構造物の交差が必要な場合、今回採用する技術が参考になる可能性がある。
中央JCT地中拡幅工事は16年10月、NEXCO東日本が「北地中拡幅(南行)」「南地中拡幅(南行)」を、NEXCO中日本が「北地中拡幅(北行)」「南地中拡幅(北行)」をそれぞれ発注した。しかし、談合疑義情報などを踏まえ、談合情報対応マニュアルに基づき調査した結果、不正行為の疑義を払拭できず、契約手続きの公正性を確保できないおそれがあることから、17年9月に契約手続きを取り止めた経緯がある。
その後、地質状況を踏まえて南側、北側の地区ごとの一貫した施工監理に基づく工区割りに変更して再度発注した。
東京外かく環状道路は、首都圏の渋滞緩和や環境改善、円滑な交通ネットワーク実現を目的に都心から約15㎞圏域を環状に結ぶ延長約85㎞の道路。このうち関越自動車道の大泉JCTから中央自動車道の中央JCT(東京都三鷹市北野)を越えて東名高速道路の東名JCTを結ぶ片側3車線、延長約16㎞の新たな大動脈を整備中だ。ビル4階分に相当する外径16.1mの国内最大規模のシールドマシンを駆使して、拡幅工事を含めた外環事業全体で約1000万m3とされる発生土が計画されている。
国土交通省、NEXCO東日本、NEXCO中日本の3者共同でプロジェクトを進めている。
残り50%掲載日: 2019年12月17日 | presented by 建設通信新聞