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撤去-架設 同時進行/工費2割減、工程3分の1/鹿島 スマート床版更新システム
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【ECI2件で提案、完全自動化目指す】
鹿島は、既存床版の撤去や主桁のケレン作業、高さ調整、新設床版の架設を同時進行できる床版更新システム「スマート床版更新(SDR)システム」を開発した。工事費を2割低減し、工程は3分の1に短縮できる。実物大の実証実験により有用性を確認済みで、ECI(施工予定技術者事前協議)方式での参加を予定している床版取替工事2件で提案する。将来的には、床版取替工事の完全自動化を目指す。 通常の床版更新工事では大型クレーンが床版を吊り上げて撤去し、ケレン作業と高さ調整をした上で、再びクレーンで新設床版を吊り上げて設置する。クレーンの作業能力によって作業時間が決まるほか、クレーンの旋回範囲によっては近接構造物への安全の配慮が大きな課題となる。
SDRシステムは、既存の床版を撤去可能な大きさに切断し、その上にクレーンが付いた門型の床版撤去機を設置し、剥離装置をセットして鋼桁から床版を引きはがす。引きはがした床版を剥離装置とともに吊り上げ、床版撤去機内部に誘導した搬出用トラックに積み込む。撤去後の鋼桁上には、マグネットで固定したレール上を移動するロボットがケレン作業を実施し、防さび剤を塗布後、面取りロボットで桁の角を削り取る。
その後、床版の高さを調整する硬質ゴムと床版下の無収縮モルタルの漏れ止め用ソールスポンジを作業員が設置。新設床版を載せたターンテーブル付きの床版運搬台車が、架設位置の手前まで移動し、ターンテーブルを90度回転させ、クレーンが付いた門型の床版架設機が床版を吊り上げ、設置する。
一連の作業を同時並行で進められるため、大型クレーンを使った標準工法に比べ、既設床版撤去から新設床版架設までの工程を約3分の1に短縮できる。クレーンで床版を吊り上げて旋回する作業がなくなるため、1車線規制による半断面施工や近接地に構造物がある場合なども安全を確保。床版架設機は重さ約20t、床版運搬台車が8tと軽く、大型クレーン使用時と比べ、鋼桁への影響を2分の1から3分の1に低減できる。
加えて、PCa床版を製作するプレキャスト工場もJIS(日本産業規格)認証を取得しており、近隣のヤードで床版を製作して設置場所までトラックで運搬すれば、製作経費や運搬費が削減可能で、直接工事費で2割程度の低減が見込める。
残り50%掲載日: 2019年12月18日 | presented by 建設通信新聞