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月ビジネスに挑む/高砂熱学工業/「HAKUTO―R」を支援
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【熱利用と水電解技術で協業】
高砂熱学工業は、地球の経済圏に月を取り込むための月面経済圏構築に向けたビジネスにチャレンジする。同社はispace(東京都港区、袴田武史ファウンダー&CEO)と、世界初の民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」のコーポレートパートナー契約を18日付で結んだ。熱利用技術と水電解技術でHAKUTO-Rと協業する。 HAKUTO-Rのコーポレートパートナー契約は日本航空、スズキ、住友商事などに続き、高砂熱学が7社目。建設産業界の企業では最初となる。
同社は、これまでに培った技術を使い世界初の月面環境での水素と酸素の生成実証実験に向け、2023年の月面探査ミッション時の月面着陸船(ランダー)に、水の電気分解装置(水電解装置)の搭載を目指し、将来の月面経済圏構築に挑戦する。
コーポレートパートナー契約締結で、高砂熱学の大内厚会長兼社長は「創立100周年を迎える23年に実施されるHAKUTO-Rの月面着陸ミッションに貢献できることを大変喜ばしく思う。水電解技術を通じてHAKUTO-Rの挑戦を支えていく」、ispaceの袴田ファウンダー&CEOが「将来ビジョンでは月面での水資源開発をメインに据えており、水を水素と酸素に分解する技術は非常に重要。水電解技術の有用性を月面で実証し将来につなげたい」とコメントした。
水は電気分解によって水素と酸素を取り出すことが可能で、エネルギーとして活用できる。ispaceは、限られた空間に存在する、限られた資源をエネルギー化する技術に着目し、ロケット燃料や機器の動力としての存在を見いだすことで、宇宙事業の開発促進を目指している。
高砂熱学は今後、水電解技術実証実験への検討を進める。水と水電解装置を搭載したランダーの月面輸送、月面着陸後のランダー上での水の電気分解プロセスで、世界で初めて月面環境での水素ガスと酸素ガスの生成に挑む。実証実験を通じて、あらゆる環境下での水素エネルギー有効化の実証を目指す。既に同社は、水電解・燃料電池一体型セルの開発に成功している。
HAKUTO-Rプログラムは、月面探査の実現だけではなく、民間企業に月でのビジネスチャンスを提供し、月を地球の経済・生活圏に取り込むことを目指すプロジェクト。ispaceがSpaceXの「Falcon9」を使用し、21年(月面着陸)と23年(月面探査)の打ち上げを予定し、独自のランダーとローバー(探査車)を開発する。
残り50%掲載日: 2019年12月19日 | presented by 建設通信新聞