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硬い生コン 確実排除/鹿島 受入時に全量モニタリング
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【2024年度目標に製造過程データ集約】
鹿島は、土木分野におけるコンクリートの製造から検査までの各工程のデータや知見・ノウハウをプラットフォームに集約して施工法検討や計画策定に反映する「CONCRETE@i」(コンクリート・アイ)を2024年度までを目標に完成させる。生コンの現場受け入れ時のデータ収集・分析技術として、生コン全量をモニタリングして施工性の悪い生コンを確実に排除する管理システムを開発した。20年1月にも条件に合う土木現場に導入する。
コンクリート構造物の品質を確保するためには、高密度配筋や暑さ・長距離輸送といった構造・施工条件にあった硬さの生コンを受け入れ、打設することが重要となる。特にスランプ値が低すぎる硬い生コンの場合、豆板や未充てんといった欠陥が発生するリスクが高い。通常は、アジテータ車(生コン車)5-35台ごとに1回のペースで生コンを抜き取り、スランプ試験で管理・検査している。ただ、待機による時間経過などで硬い生コンが荷下ろしされる可能性もあり、条件が厳しい現場では検査頻度を増やしたり、専門の監視員を配置するなどして対応している。
開発した管理システムは、市販のビデオカメラと分析システムを搭載したパソコン、パトランプ、ブザーで構成する。アジテータ車から生コンが流れ出るシュート部分にカメラとパトランプを設置し、カメラ画像をもとにAI(人工知能)が測定する範囲を自動認識する。測定範囲内を通過する生コンの性状・状態を分析し、施工性の悪い生コンを検知すると、パトランプやブザーでアラートを発信する。アラートを発信する基準は任意に設定できる。クラウド上に分析データを記録するため、タブレットなどで遠隔地でも生コンの状態を確認できる。カメラ画像では、シュートを生コンが流れ出る際の形と時間経過による形の変化を読み取る。生コンが硬い場合、生コンの形状が盛り上がっており、流れ出るまでの時間が長い。
同システムと、生コンの水分量を測る連続RI水分計を組み合わせて実大施工実験を実施した結果、施工性が悪く、強度・耐久性に劣る生コンを確実に排除できることを確認した。
コンクリート・アイでは、コンクリートの製造、運搬、受け入れ、打ち込み・締め固め、仕上げ、打継面の処理、養生、検査の各工程の分析データを既存技術も生かしながらプラットフォーム上に収集・集約し、得られた結果を施工法・施工計画の検討に生かす。受入工程でのシステムのベースが完成したことで、打継面の処理でのシステム開発を進める。
残り50%掲載日: 2019年12月26日 | presented by 建設通信新聞