当サイトについて 採用ご担当者様
会員登録はこちら 求人検索

建設技術者向けNEWS

建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!

  • 新菱冷熱工業/製造施設向け電解水エアワッシャー/酸性ガスに高い除去性能

     新菱冷熱工業は、半導体・液晶工場など製造環境向けの「電解水エアワッシャーシステム」を開発した。工場内のクリーンルーム向けに外気からちりとほこり、分子状汚染物質を除去して空気質を調整する1次段階の外調機に実装するもので、外調機に設置されるケミカルフィルター(CF)を不要とし、酸性ガスの高い除去性能を発揮する。また、特許を取得したエアワッシャーの吸収液に電解水を使う「プリーツ型メディア」で、空気と電解水の接触効率を向上させる仕組みを開発した。

     

     同社は今後、このシステムを国内外の製造施設に展開することを見込み、システムと関連施設を含め、3年で100億円の売り上げを目指す。

     

     同システムは高性能・環境配慮型で、半導体デバイスなどの一層の高集積化、大容量化が進む中、より高性能で省コストな空調システムのニーズと、酸性ガス除去のニーズが高まっていることに対応するために開発した。

     

     システムは、硫酸イオンの除去率が99%以上と高い。アンモニウムイオンも除去できる。CFが不要になることから、CFから発生する硝酸・酢酸がなくなる。また、設置する湿度を下げるための再熱機構が不要となる。自社開発した外気中の酸性ガス濃度の変動を検知し、最適な電解水量を供給する制御機構も実装した。制御機構によって、システムの最適な運転を可能にする。その結果、同社の従来型と比べ外調機全体の消費エネルギー量を約24%、CO2排出量を15%、ランニングコストを3割も削減できるという。

     

     CFを使わないことから、活性炭の交換、廃棄が不要になり、産業廃棄物をゼロにできる環境配慮型システムになっている。外調機処理風量が1時間当たり10万m3の場合は、CFを1年から数年ごとに交換する際、1-2tの活性炭を廃棄する必要がある。

     

     半導体・液晶など精密製品の製造環境では、空気中に含まれる粒子状汚染物質だけでなく、ガス成分(分子状汚染物質)が製品の歩留まりに影響を及ぼす。このため、製造環境で特に高レベルの清浄環境、温湿度管理のクリーンルームが求められている。

     

     従来型のエアワッシャーは、加湿装置などが外調機に組み込まれるが、除去性能は80-90%程度にとどまる。近年は、外気に含まれる酸性ガスをさらに除去する必要性が高まり、エアワッシャーとCFの両方を設置するケースが増えた。ただ、CFにはクリーンルームの汚染発生源になることやCF交換時に外調機を停止することで、クリーンルームの運用・保守が煩雑化するなどの課題を抱えていた。

    残り50%
    ログインして続きを読む 会員でない方はこちらよりご登録ください

    掲載日: 2020年1月10日 | presented by 建設通信新聞

前の記事記事一覧次の記事