建設技術者向けNEWS

　前田道路は２４日、前田建設と前田総合インフラが実施するＴＯＢ（株式の公開買付）に反対する意見を表明した。

　前田道路は意見表明の中で、ＰＰＰ・コンセッションなどでの協業による効果があると前田建設が主張している点について、「当社の強みは幅広い顧客との間で密接な取引関係を構築している点」とした上で、従来の事業モデルから乖離（かいり）した戦略と強調した。技術開発なども「事業環境の変化に対して既に具体的な施策を講じている」とした。ＴＯＢに当たり、「事業シナジーの効果が、抽象的な事業戦略が羅列されているのみ」と断言し、具体的な業績への寄与度が記載されていないことを指摘した。

　業績面でも、前田道路の営業利益率やＰＢＲ（株価純資産倍率）が前田建設を上回っており、「資本市場からの評価がより乏しい企業によって経営される」ことで資本市場からの評価の上昇が見込まれないとした。労働組合もＴＯＢに反対意思を表明したことも付記した。

　前田建設が、事前の協議の中で「貴重な経営資源である内部留保をグループ内で活用したい」といった趣旨の発言が再三、あったことを明かした。また、アクティビスト投資家と前田建設が面談した結果、アクティビスト投資家によって前田道路のＴＯＢが行われる可能性を察知したため、「アクティビストリスクを排除するために公開買付を実施したい」と主張していたにもかかわらず、公開買付届出書に記載がない点にも不信感を示した。