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  • トンネル上部にベルコン/作業空間を確保、ベルト延伸も容易/フジタ、タグチ工業

     フジタとタグチ工業(福岡市、田口一生社長)は、山岳トンネル工事で使用するベルトコンベヤーをトンネル上部に設置することで作業スペースを確保できる中断面トンネル用「上下自在連続ベルトコンベア」を開発した。ベルト延伸の作業時間を約30%短縮し、重機走行路を45%拡幅できる。「北海道新幹線、野田追トンネル(北)他工事」(発注=鉄道建設・運輸施設整備支援機構、施工=フジタ・株木建設・石山組・砂子組JV)に導入し、生産性向上効果を確認した。

     

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     山岳トンネルでは近年、掘削長さ2㎞以下でもズリの運搬に連続ベルトコンベヤーを使用する事例が増えている。ただ、切羽からズリをクラッシャーまでホイールローダーで運ぶ距離を短くするため、週に1回のペースで約1-2日間、切羽の作業を止めてベルコンの延伸作業が必要だった。ほぼ全線にわたってベルトが坑内の端中段を占領するため、中断面トンネルなどでは重機の通行スペースが狭くなり、作業性や安全性に課題があった。

     

     上下自在連続ベルコンは、切羽付近のクラッシャーから搬送用ベルトをトンネル天井付近まで持ち上げる「上越しテールピース台車」と、高所のベルトを容易に設置できる「ブラケットフレーム」、覆工作業区間でベルトの位置を地面に近い高さにまで降ろす「カテナリーZ台車」で構成する。クラッシャー後方から坑口側の約300m(インバート施工区間)をベルトがトンネル天井部を通過するため、ベルト下部にスペースができ、重機走路が大幅に広がる。通常のベルコンは、ローラー同士がフレームでつながっており延伸作業に時間がかかるものの、ブラケットフレームは、ローラーを支えるブラケットとローラーを一体化して1ローラーごとに切り離された構造となっているため増設作業が容易で、切羽付近でのベルコン延伸作業時間を大幅に短縮できる。荷重状況や曲線部に応じてローラーの追加も簡単にできる。カテナリZ台車より後方のベルトは通常のフレーム型だが、後方設備のため、切羽施工サイクルに影響を与えないタイミングにベルト延伸作業を調整でき、月当たりの掘進距離を伸ばせる。

     

     通常、前進するたびにベルトも付け替える必要があったセントル部分では、ベルトが地上部を通過するため、ベルコンを動かしたままセントルを移動できる。

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    掲載日: 2020年2月12日 | presented by 建設通信新聞

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