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連載・2018年業界を読む(6)
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【道路舗装/維持管理・更新へ対応進む/民間受注、海外にも注力】
2018年3月期の道路舗装各社は、原材料価格の値上げによる利益率低下などの懸念事項はあるが、期首目標の達成を見込んでいる社も少なくなく、おおむね業績は堅調に推移している。今後の市場についても、東京五輪需要などにより「2020年まではこのまま続くのではないか」と口にするトップが多く、引き続き安定した事業環境が見込まれる。堅実な市場を背景に、各社は将来の環境変化に備え、新設から維持管理・更新への対応、民間受注や海外展開の強化など持続的な成長に向けた体制づくりを着々と進めている。
今後、 さらなる増加が見込まれる維持管理・更新市場へ力を入れる動きが本格化している。前田道路は府中市での実績を生かして引き続き包括的な維持管理を視野に入れており、 今枝良三社長は 「拠点を生かして積極的に取り組みたい」 と語る。大成ロテックは維持管理に対応する専門チームを社内に設け、 「必要な技術と進め方を具体化している。 切削オーバーレイ改良への投資などに注力する」(西田義則社長)考えだ。
現行中期経営計画で維持更新への対応に向けた技術開発を強化方針に掲げる大林道路は、切削機の静音化や合材の改良など維持管理・更新に対応する技術開発をメーカーとも連携しながら取り組む。
ガイアートは地方自治体の維持管理に対応する人材の教育に力を注ぐ考えで、コミュニケーション能力やプレゼン能力、企画力に加え、維持管理計画などを提案できる技術者となる「舗装のフィールドエンジニア」を育てていく。
安定的な収益基盤の構築に向け、民間受注の比率を高める動きもある。日本道路の久松博三社長は中期的な課題の1つに「民間受注の強化」を掲げる。自動車テストコース関係、学校関連のスポーツ施設、流通関係を3本柱としており「効果は出てきており、これを継続していく」と語る。
官公庁と民間の受注比率を現状の70対30から50対50まで改善することを目標に掲げる東亜道路工業は、グループ会社のネットワークも含めた総合力を武器に市場での優位性を示していく。民間受注が70%を占める三井住建道路も「三井グループ、住友グループの連携をさらに強固にすることで受注につなげていく」(松井降幸社長)とし、75%まで引き上げることを目指す。
世紀東急工業は物件から顧客をターゲットとした営業展開に注力する。物件ごとの営業ではなく、顧客が手掛ける全国各地の案件を取り込む考えで、佐藤俊昭社長は「基礎となる“根工事”を持つことで安定的に事業運営ができる」と読む。
将来的な国内市場の変化に備え、海外事業の強化も進みつつある。 NIPPOは10年後の売上高5000億-5500億円体制の構築に向け、海外事業を強化方針の1つに掲げる。 タイとミャンマーの工事を中心に東南アジアでの合材事業を伸ばしていくほか、工事では得意とする自動車テストコースに注力する。岩田裕美社長は 「売上高の1割以上を海外で上げられる体質にしていく」と方針を明かす。
タイとベトナムに拠点を置く鹿島道路は、成長するベトナム市場について「造成も含めた新設工事では設計施工のノウハウが問われるが、それを提供できるためニーズはある」(増永修平社長)とみている。佐藤渡辺の上河忍社長も「国内の受注環境が厳しくなりそうな時期から海外にチャレンジしていかなければならない」と考えており、将来の事業展開に向けた情報収集を進めている。 (谷戸雄紀)
残り50%掲載日: 2018年1月16日 | presented by 建設通信新聞