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国交省/ジャパコン国際賞決定/3プロジェクト・2社に
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>◇質の高いインフラ象徴、先導的企業
日本企業のプレゼンス向上や海外進出の応援を目的に、国土交通省が2017年度に創設した「JAPANコンストラクション国際賞(大臣表彰)」(通称・ジャパコン国際賞)。3回目の本年度は日本が提唱する「質の高いインフラ」を象徴する建設プロジェクト3件、海外で先導的に活躍している中堅・中小の建設企業2社が選ばれた。表彰を通じて日本企業のさらなる海外進出を後押しする。
「建設プロジェクト部門」は日本企業の優れたノウハウや技術力、プロジェクト管理能力などを通じて「質の高いインフラ」を実現した建設プロジェクトを表彰する。12件の応募の中から3件が選ばれた。
ニュージーランドの「ウォータービュー高速道路プロジェクト」(応募者=大林組)は、同国最大都市オークランドで未完だった高速道路区間を延長2400メートルのシールドトンネル(2本)で接続する同国最大規模の交通インフラプロジェクト。日本技術の移転により同国初の大断面シールドトンネル(掘削径14・5メートル)を採用し、コスト低減と第三者交通への影響回避を実現した。
市民待望の道路インフラで開通式典後、一般市民による「トンネル渡り初め」のイベントを開催。当初予定していた4万2000人分の入場チケットが8時間で無くなり、入場者数は6万人に達した。
トルコの「オスマン・ガーズィ橋(イズミット湾横断橋)プロジェクト」(IHIインフラシステム)は、同国最大都市イスタンブールと第三の都市イズミルを結ぶ高速道路(道路BOT〈建設・運営・移管〉事業)のうち、イズミット湾をまたぐ区間の橋梁工事。全長2682メートル。世界4位の中央径間長1550メートルを誇るつり橋を48カ月の短工期で完成させた。長大つり橋では世界1位の施工速度を記録した。
地震対策として、つり橋主塔には世界初の免震構造を採用。風対策では、つり橋の供用下でアクティブ制振装置を世界で初めて採用した。
ネパールの「シンズリ道路(第3工区第2期建設工事・第2工区斜面対策工事)」(安藤ハザマ、日本工営)は、首都カトマンズからインド国境への既存道路の代替路として、日本の無償資金協力で整備された全長約160キロの山岳道路のうち、川沿いの難関区間となる最終工区の建設と豪雨による斜面崩壊部の補強工事。
政治的混乱などにより約1カ月の工事遅延が生じたが、工事エリアの分割化によって工事中断の影響の局限化や、機材・人材を追加投入。最終的には繰り上げ全線開通を達成した。斜面安定工や擁壁工技術が同国政府担当者から「今後の道路建設に生かしていくべき技術」と評価された。
「中堅・中小建設企業部門」は海外で建設や設計、測量、資機材供給などの事業活動を行い、日本企業の海外でのプレゼンス向上に寄与し海外進出を促進した企業を表彰。応募総数8社の中から2社が選ばれた。
技研製作所グループの「技研施工」(高知市、大平厚社長)は、低振動・低騒音で安全に省スペースで杭打ちできる「圧入工法」を主軸に、セネガルやエジプト、バングラデシュなど世界各国で事業を展開している。1983年にドイツの展示会で杭圧入機「サイレントパイラー」を披露し、同年同国で海外初の工事を受注。現在までに世界30カ国以上で圧入工法の工事を実施している。
19年には日本国内に「圧入トレーニングセンター」を開設。今後、工事機械の修理やメンテナンス、操作技術などの研修を国内外から受け入れ、技術移転を行う予定だ。
「ヘリオス・ホールディングス」(愛知県豊橋市、小野田成良社長)は、バングラデシュを中心に高品質なプリペイド式ガスメーターの導入を推進している。ガス浪費が問題となっていた同国でガスメーター導入に参画し、日本製ガスメーターの優位性を同国ガス公社にアピール。13年に国際協力機構(JICA)の普及・促進事業、16年に円借款事業を受注し、同国で計26万台の設置事業を手掛けている。
バングラデシュのほかインドネシアやメキシコなど導入国によって、ICカードやスマートフォン決済に対応するなど、現地に合わせた細やかなカスタマイズを行っている。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため表彰式は未定となっている。
残り50%掲載日: 2020年3月3日 | presented by 日刊建設工業新聞