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連載・人事戦略2020(3)コンサル
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【内定辞退率の改善課題に/12社で新卒者増加6割超す】
日刊建設通信新聞社が実施した建設コンサルタントの人材採用調査に回答した19社のうち、4月の新卒採用者が前年の採用実績を上回ったのは12社と6割を超えた。大日本コンサルタントとパスコが倍増。19社の合計は860人となり、前年から124人増加した。「予定どおり確保できた」のは9社。2社が「予定枠の確保に苦労」し、8社は「最終的に予定枠を確保できなかった」と回答した。「学生の活動開始時期が早まり、質の高い母集団形成に苦労した」(いであ)と言った声とともに、「内定辞退者が増えた」という指摘も多く、人材獲得競争がより激化している状況を示している。
建設コンサルタントの新卒・中途採用状況
*単位は人数。新卒は該当年4月採用で、カッコ内は技術系。中途は該当年度で、技術系と事務系の総数。「-」は未定今後の採用方針では、新卒の採用を「増やす」が9社、「維持」が10社と回答。中途採用についても「増やす」が10社、「維持」が9社とほぼ同様の回答となった。21年4月の新卒採用計画を見ても19社合計で939人から944人を見込み、20年4月採用からさらに80人前後の増加と拡大基調にある。長期的には国内公共事業の減少も視野に入れつつ、「新規市場など新たな事業分野への進出を踏まえ現状維持」(八千代エンジニヤリング)、「企業成長戦略に基づく増員」(長大)など将来の事業展開を見据え、「ワークライフバランスおよび就業環境のさらなる充実のため」(建設技術研究所)、「高齢化の抑制と年齢別人員バランスを図る必要がある」(エイト日本技術開発)というように、安定採用によって企業の持続的な発展と組織の活性化を図る。
人材の不足感は全社が「ある」と回答。不足する部門については機械、電気、情報系など技術部門を挙げる会社が多く、「全社的、全体的に不足している」「部門を問わず優秀な人材」という声もあった。情報通信やAI(人工知能)、ロボットなどの専門人材については12社が「採用または採用を検討する」と回答。4月入社では日本工営、八千代エンジニヤリング、いであ、長大、NJS、アジア航測の6社が専門人材を確保した。
初任給や基本給など賃金引き上げを「検討している」としたのは9社。このうちパシフィックコンサルタンツは4月から大卒者の初任給を7500円アップ。オオバは3年連続での初任給アップを予定している。中央復建コンサルタンツも初任給を5000円引き上げるほか、5月に基本給の昇給実施を予定している。
定年制度では5社が定年延長を検討しており、大日本コンサルタントは21年、応用地質は21年度中の実施を予定。日本工営、建設技術研究所、日水コンは検討中だが実施時期は未定としている。ほかに6社が実施済みとなっている。
経団連が「採用選考に関する指針」を廃止する21年春入社の新卒採用活動では1社が既に選考活動を開始したほか、7社が広報活動を始めており、2社が選考活動を4月に前倒しする。他業種を含めて競争が激化する中で、課題である内定辞退率を低減するためにもインターンシップを重視する企業は多く、内定者リファラル採用の活用やホームページの充実など会社の認知度や職業理解を深めてもらう取り組みも活発化している。
(布田勉)
残り50%掲載日: 2020年3月4日 | presented by 建設通信新聞