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  • 東日本大震災から9年/直轄インフラ事業が復興けん引/人口流出、財政不足…課題山積

     東日本大震災の発生から9年を迎える。津波による未曽有の被害でがれきの山に埋め尽くされていた東北3県(岩手・宮城・福島)の沿岸部は、国や地方公共団体、建設産業界など関係機関を挙げた復旧・復興への取り組みにより、再生への歩みを着々と進めている。復興・創生期間4年目が間もなく終わり、最終年度に向けて各種事業がラストスパートに入りつつある被災地の“いま”を見る。

     

     国土交通省を中心とする国主体のインフラ整備は、まさしく“リーディングプロジェクト”として被災地の復興を力強くけん引してきた。その象徴とも言える復興道路・復興支援道路は、計画延長550㎞のうち2020年2月末時点で74%に当たる408㎞が開通。事業中の残る142㎞も2020年度中の開通に向けて、鋭意整備が進められている。

     

     津波被災地にとって“一丁目一番地”とも言える港湾防波堤は全長8920mの復旧がすべて完了。河川堤防も直轄の4河川が完成済みで復旧・復興延長48㎞中、約42㎞で整備を終えている。残る旧北上川の約6㎞については、自治体の事業進捗状況をみながら整備を進めていく。

     

     まちづくりをみると、防災集団移転促進事業および土地区画整理事業は402地区、1万8234戸のうち、全体の99%に当たる1万8180戸が完成。災害公営住宅も計画戸数2万9810戸のうち99%の2万9530戸が完成している。

     

     さらに、JR常磐線が14日の富岡~浪江間の開通で全線開通するほか、地盤沈下した被災地域の排水対策事業も日本下水道事業団により急ピッチで進められており、自治体主体の一部事業を除き、インフラ整備は“10年間”での完遂に向け最終盤を迎えている。

     

     生活の基盤づくりが着実に進展する一方で、原発事故に伴う帰還困難地区を中心とする福島県の復興・再生を始め、多くの被災地に共通する人口流出、税収減や補助金・交付金などの減額による被災自治体の財政不足など、多くの課題が山積している。

     

     復興・創生期間終了まで残り1年。“ポスト復興”へ、突き詰めた議論が求められる20年度は、被災者・被災地が真の復興を果たす上で、極めて重要な年になる。

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    掲載日: 2020年3月11日 | presented by 建設通信新聞

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