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「地盤加熱型」実用化にメド/大成建設 加温+注入を一体化/原位置バイオ浄化技術
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>【短工期・低コストを実現】
大成建設は、新たに開発した“電極兼用注入管”を活用して地盤を加熱することで、汚染地下水に含有する揮発性有機化合物(VOCs)を短工期・低コストで分解する地盤加熱型の微生物浄化技術「T-SoilReme HeatBio」の実用化に踏み出す。より効率的で効果的に汚染物質を分解・処理する原位置(非掘削)浄化技術として積極的な展開を狙う。 地盤に対する「加温」がキーワードとなる。
従来の浄化技術で汚染サイトに浄化材・浄化菌を注入するために打ち込んでいた打ち込み式の注入管が電流を通す「鉄」である点に着目。地盤を温める電極管と浄化用の井戸を一体化させた打ち込み式電極兼用注入管を開発することで、より効果的に汚染物質を分解・処理できる地盤加熱型の微生物浄化技術の実用化にめどをつけた。
注入管への通電によって地盤を加熱。汚染源からの揮発性有機化合物の溶出を促しながら、地盤を微生物による浄化に適した温度に保つことで、浄化に要する期間を大幅に短縮させる。
その加温のための電極と浄化材・浄化菌を注入する浄化井戸の機能を併せ持つ電極兼用注入管は、規格品である鋼管と塩ビ管の組み合わせによって構成。表層に近い部分は鋼管のまわりに塩ビ管を配した 「絶縁部(二重管)」、帯水層から粘土層(不透水層)に至る汚染物質の拡散域は「通電部」 として電流を通す。
絶縁部・通電部の深さや帯水層に浄化材を供給するためのスリットの位置を自由に設定できることから、汚染の状況に応じたカスタマイズが可能。通常の浄化作業で使用している注入管と同様に自走式の小型ボーリングマシンを使うため、狭あいな場所でも適用できる特徴を持つ。
一般的に汚染地下水が存在する帯水層の温度は20度前後と、浄化菌が活発に活動できる温度(約30-35度)より低いことから、これまでの微生物による浄化技術は浄化に要する期間が長期化してしまう傾向があった。
そうした課題の解消へ、通電量の調整(設定)によって、ターゲットとする帯水層の温度を制御。浄化菌の増殖に適した環境をつくり出すことで、浄化期間の短縮を実現する。
粘土層への通電によって、揮発性有機化合物の粘土層から帯水層への溶出も促進。これまで困難であった粘土層に残存した汚染物質のリバウンド現象への対応(原位置浄化)も期待できるという。
残り50%掲載日: 2020年3月11日 | presented by 建設通信新聞