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国の対応注視/対応に追われる建設業界現場は個別協議/対象自治体
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>政府が発令した新型コロナウイルス感染症に対する「緊急事態宣言」を受けて、対象地域の7都府県は具体的な対応方針を打ち出し始めている。同宣言が自治体発注の公共事業にどの程度影響するかは不透明だが、当該自治体の発注部局は国の対応を注視しながら、必要に応じて対策を検討する方針だ。
東京都の発注部局は「国の対応を踏まえて、具体策を検討していく」予定で、現段階では2020年度予算に伴う工事の発注を後ろ倒しする予定はないとしている。
首都に隣接する神奈川県の発注部局は当面、「国だけでなく、東京都の対応にも注視していきたい」考え。埼玉県の発注部局も現状では神奈川県と同様の姿勢だ。
ただ、ある建設業団体は公共工事量の多い東京都や神奈川県などの首都圏で緊急事態宣言が長引けば、現在稼働している工事現場や20年度の工事発注などが遅れ、中小建設企業の経営面に影響することを懸念している。
大阪府、兵庫県の発注部局は国の対応を注視する。福岡県の発注部局は「いまのところ、特段対応は考えていない」としている。 政府の緊急事態宣言を受け、コンサルタント会社、建築設計事務所、ゼネコン、設備会社の各社は、対応に追われた。管理部門では、各社とも対象地域でのテレワークや在宅勤務などの取り組みを強化・拡大する。現場については「個別に発注者と協議する」とのゼネコンが多いものの、設備会社の中には対象地域の施工中現場を「原則閉所」の方針を決めた企業も出ている。コンサルでは、本社機能を移転した企業も出た。
ゼネコンでは、「在宅勤務や不要不急の外出を控えるといった取り組みの段階を引き上げなければならない」(戸田建設)、「テレワークの実施割合を増やす方向で調整する」(三井住友建設)など、管理部門の取り組みを強化・拡大する企業が多い。ただ、現場については、政府からの正式な通知が届くまで判断しにくく、特に民間工事については「発注者と工事継続可否の事前協議をするよう現場に求めてきた。協議の結果によって対応が異なる」(鹿島)と、個別協議にならざるを得ない状況だ。
■設備 現場閉所方針も
設備関係企業も、現場では顧客との対応次第となる。関電工は、建設現場について顧客と協議し、個別の案件ごとに対応を決定する考えで、電力関係については電力の安定供給・供給義務に関する工事は継続するという東京電力の対応方針に沿って対応する。供給工事や顧客要請工事は、緊急を要するもの、公衆安全上必要なものを除き、延期とする。東電の自主的な計画に基づく工事や点検など、電力の供給信頼度が低下するものを除き、延期となる。
ダイダンは、対象地域の施工中現場を原則閉所とする。ただし、施主や設計事務所などの関係者と事前に調整し、了承を得た上で閉所する。維持、保全関係では、医療機関、インフラなど緊急対応建物の社会機能維持のための緊急対応は要請に応じて行う。新日本空調は、元請現場は施主の意向に従いつつ、意向を求められた場合は休場とする考え。ミライト・ホールディングスのグループ各社は、従来どおり、発注者の指示に従い実施することが建設現場対応の基本。大気社は、現場は引き続き顧客と現場のルールに従う。三機工業は、建設現場は施主や元請けと協議し、個別に対応する。
■コンサル 本社機能移転も
建設コンサルタント各社でも、在宅勤務などテレワーク体制へのシフトを3月末から一段と推進し、今後さらに出社禁止の厳格化など一様に対応強化の姿勢をみせる。
長大は、対象地域でのテレワーク実施とともに、本社機能を茨城県つくば市にある災害対策センターへ一時移転する。パシフィックコンサルタンツは、対象地域で「オフィスへの出社禁止、在宅勤務の完全実施」とする方針だ。やむを得ない場合に認めていた出社も、判断基準をより厳格化する。オリエンタルコンサルタンツは、テレワーク勤務を今後1週間以内に90%とするため、IT環境の整備を急ぐ。全従業員を対象に在宅勤務措置を講じている日本工営も一層の出社の厳格化と来客制限に取り組む。建設技術研究所は、外出自粛要請が出ている地域の事業所での出社を禁止し在宅勤務とする対応を徹底。八千代エンジニヤリングや、いであも同様に対象区域にある拠点は原則在宅勤務とし、大日本コンサルタントも5月10日まで原則在宅勤務とする対応を確実に実施する。福岡市を本拠とするFCホールディングスは、福島宏治社長を本部長とする「新型コロナウイルス感染症対策統括本部」を新たに設置。迅速・強力にグループ一体での感染拡大防止対策を実施する。
■建築設計 ウェブ会議推奨
建築設計事務所では、三菱地所設計が本店、支店の全従業員を原則在宅勤務・自宅待機とし、外部との会議・打合せはウェブ、電話で対応する。本店、一部支店の正面受付は当面閉鎖し、外線電話の受付時間も短縮する。
日本設計は、名古屋も含め、緊急事態宣言の対象地域全員の在宅勤務を徹底。日建設計、梓設計は在宅勤務の徹底を図る。佐藤総合計画は、原則在宅勤務などの取り組みを継続。久米設計は、「安全な業務遂行で健康と命を守る」を基本方針に、設計期限と品質を守ることを行動指針とした対応を立案。全役職員を在宅勤務とし、現場設計監理はウェブ会議を推奨する。
山下設計は、宣言の正式な発令を受けて、対応策を決める。石本建築事務所は「原則全社員在宅勤務」の実施を検討している。大建設計は東京地区に限定していた「原則在宅勤務」を全事業所に拡大する。また、国内外への出張禁止、原則ウェブ会議を実施するほか、来社・来館の自粛を要請する。安井建築設計事務所も、7日から東京事務所で実施していた原則在宅勤務を全社に拡大する。
残り50%掲載日: 2020年4月8日 | presented by 建設通信新聞