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悩ましい“個別協議”/企業姿勢の明示求める現場
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>政府が特別措置法に基づいて緊急事態宣言を発令したことに伴い、今後の現場の対応について受発注者が協議することになった。ただ「特に民間工事で個別協議というのが一番悩ましい」(ゼネコン)と、現場の悩みが深まっている。企業姿勢の明示を求める現場の声もあり、「継続」を基本方針とするゼネコンがある一方で、「工事中止・現場閉所」を基本方針として示したゼネコンも出ている。
現場の継続可否を受発注者が個別に協議して決めることについてゼネコン担当者は「請負という契約の性質上、発注者の意向に沿うしかなく、受注者側から『こうする』と申し出るのは難しい」とするほか、「現場養生や事務所警備、費用計算など、一口に中止と言うほど簡単ではない」と揺れる心情を吐露する。緊急事態宣言による現場作業員の心情の変化も懸念材料の1つで、あるゼネコンでは「一部で感染を懸念して『休ませてほしい』という技能者も出ている。ただ、特に民間工事では発注者の意向次第になるため、判断が難しい」と明かす。
“事業の継続が求められる事業者”として公共工事が挙げられる中で、「公共工事が動いているのに、なぜ民間工事は止めなければならないのか、という話にもなる」と、特に民間工事での協議の難しさを指摘する。このため「公共工事で中止・継続する工事の種類を明確に示してもらえれば、それを民間工事にも準用するよう発注者に示せるのだが」という意見も上がる。
こうした中、西松建設は「発注者との協議の上、工事中止・現場閉所する」という基本方針を公表した。同社は「緊急事態宣言が発令された中で、企業の社会的責任を果たすという姿勢を示した」と趣旨を説明する。中止・閉所すれば、出来高(売上)が上がらなくなるものの、「業績への影響は分からないが、一般的に4-5月は出来高が上がりにくい時期でもある」とする。
他のゼネコンからは「企業としての姿勢を明確に示されると協議しやすい」との声が上がる。特に民間発注者との協議では「『御社はどうしますか』と聞かれることが多く、社としての方針が明確でなければ、答えに窮する」からだ。こうした現場の声を受け、「内部の方針として、発注者から対応を聞かれた場合に『継続』と答えることを決めた」というゼネコンもある。大林組のように、作業員を含めた時差出勤や朝礼・休憩の分散などで現場内の3密(密閉、密集、密接)を避けるなど感染防止を徹底しつつ、「原則として継続する」との方針を内外に明示した企業も複数出ている。
残り50%掲載日: 2020年4月9日 | presented by 建設通信新聞