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大成建設/新型ファンユニット開発/“温熱ムラ”を改善/医薬品倉庫に積極提案
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>大成建設は、医薬品を保管する倉庫内部の温熱環境を安定化させる新型ファンユニット「T-Rack Fan」を開発した。パレットの上に設置可能なサイズであることから、自動搬送装置で荷物を出し入れするのと同様の作業で容易に移動が可能。大規模な改修工事を行うことなく、低コストかつ短工期で倉庫内の温度環境を改善することができる点が特徴となる。
高層ビルの防排煙設備や空調制御機器の製造などを手掛けるクリフ(東京都西東京市)との共同開発となる。
荷物を出し入れするのと同様に自動搬送機のコンベヤー(自動搬送装置)で容易に移動できる「機動性」と、ファンユニットを所定の位置に移動した後は電源を接続するだけで運転可能な「実用性」が最大の特徴。季節に応じた設置位置の変更や、空気が滞留しやすいポイントへの移動も容易であることから、効率的に温度環境を改善することができる。
というのも、医薬品は製造や流通の過程で国際基準に沿った高度な温度管理が求められる。実際に室温での保管は、倉庫内の温度を15-25度の範囲に維持する必要があるが、従来型の自動ラック倉庫は天井が20-30m程度と高いために、気流の流れが滞ることで、年間を通した温度範囲の維持が難しい状況にあった。
仮に温度ムラの改善を目的に空調設備の改修を行う場合、工事用の足場を組む大規模な改修工事により、倉庫の運用を停止させなければいけないという課題もあった。
そうした課題の解消へ、自動搬送装置で自由に移動できる機動性と、倉庫の運用を停止することなく設備工事を行う実用性を両立させた新型ファンユニットを構築した。
1000㎡程度の自動ラック倉庫に複数台の 「T-Rack Fan」を導入する場合、 従来のファン設置工事(空調・電機・建築工事を含む) との比較で50%以上の工事費の削減が可能。足場を組む費用や倉庫の運用を停止させることによる営業損失を踏まえれば、 より低コストで温度環境を改善できる。
温熱ムラを可視化できる同社の「温熱環境シミュレーション」を活用することで、設置台数や位置、吹き出し方向や角度といったファンユニットの最適な導入方法を提案することも可能。特徴である機動性から、設置した後の運用段階でもそれらを容易に変更できるメリットもある。
今後も、 ファンユニットにバッテリーを搭載したワイヤレスタイプの開発など、 バリエーションの拡大を検討。 温熱環境の改善を計画する医薬品の既存倉庫をターゲットに積極的な展開を狙う。
残り50%掲載日: 2020年4月13日 | presented by 建設通信新聞