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  • 山岳トンネル/掘削ずり運搬を無人化/西松建設、カナモト、ジオマシンエンジ

    【ホイールローダー運転動作など遠隔操作】

     

     西松建設は、カナモト、ジオマシンエンジニアリング(東京都荒川区、塚田純一社長)と共同で山岳トンネル掘削時に切羽近傍のずり運搬に使用するホイールローダーの遠隔操作システム「Tunnel RemOS-WL(トンネルリモス-WL)」を開発した。実際のずり運搬を模擬した遠隔操作実験により、無人運転時の動作や操作性・安全性に問題がないことを確認した。

     

     システムは、ホイールローダーの走行やバケット操作といった坑内のずり運搬作業に必要な運転動作を、車体に設置した複数のカメラ映像を見ながら、ほぼ遅れなく無線で遠隔操作できる。遠隔操作技術はトンネル掘削に使用する他の重機にも応用可能で、今回の開発を足掛かりにトンネル工事の無人化施工の実現に向けて取り組みを加速させる。

     

     遠隔操作システム、映像・操作信号通信システム、安全走行システムで構成している。遠隔操作システムは、運転操作に必要な装置で構成されている。ホイールローダーにはハンドルやペダル操作などを無線受信により機械的に作動させる遠隔操作装置が外付けされている。

     

     遠隔操作室には実機と同じ仕様の操作コクピット、モニター(9画面)が配置されており、画面を見ながら操作コクピットから遠隔操作する。また、運転時の実機振動や作動音もコクピットに伝わり、実機運転とほぼ同じ環境下での遠隔運転が可能となっている。

     

     ホイールローダーには7台のハイビジョンカメラが設置されており、映像データは無線で遠隔操作室に伝送され、操作信号は遠隔操作室からホイールローダーに伝送される。同時に走行速度や走路、バケット稼働圧などの運転データも遠隔操作室に伝送され、情報の一部はコクピットモニターに表示されるとともに、専用パソコンに運転データとして蓄積される。

     

     遠隔操作時の安全走行を確保するため、ホイールローダーの運転操作を自動的に緊急停止(ブレーキ作動・エンジン停止)させる機能を備えた。緊急停止は、ホイールローダーへの人の異常接近をAI(人工知能)が認識した場合や無線にトラブルが発生した際に自動的に作動するが、コクピットからも強制的に作動させることができる。

     

     システムは、国土交通省北海道開発局小樽開発建設部発注の「一般国道5号仁木町外新稲穂トンネルR側仁木工区工事」で6月から試験運用を開始する予定だ。実施工での試験運用を通して、さらなる改良を加えシステムの早期実用化を目指す。

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    掲載日: 2020年4月20日 | presented by 建設通信新聞

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