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スコープ/群馬建協・青柳剛会長、「限界工事量」提唱から1年9カ月
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>◇地政学的観点の考慮を/平野部と中山間地域で異なる実情
群馬県建設業協会の青柳剛会長が「限界工事量」という概念を提唱したのは16年春。地域の建設会社が人員や機械を維持していく上でぎりぎり必要な工事量のことだ。それを下回ると除雪や自然災害時の迅速な対応に悪影響が出る可能性がある。1年9カ月がたち、青柳氏は「国民にも分かりやすいメッセージになった」と評価。今後はさまざまな指標を重ねて地域建設業を地政学的な観点で考えることも必要だと訴える。 (編集部・岩本英司)
16年4月5日付の日刊建設工業新聞1面に掲載されたインタビューで青柳氏は、「災害時に地域業者が活躍できるようにするための基礎体力を維持する最低限の工事量が常に確保されるべきだ」と強調。過疎化が進行して存続が危ぶまれる「限界集落」からイメージした概念として、「限界工事量」という考え方を初めて示した。
同7月には、15年度の公共工事受注で、群馬建協会員企業の6割が災害対応業務を担う体制の維持に必要な受注を確保できなかったとする調査結果を発表。一定の工事量を確保する活動を強化する方針を打ち出した。
限界工事量の概念について青柳氏は、「それを下回ると災害対応限界地域が出てくるなど、国民に向けても分かりやすく、また、受発注者間で災害対応をベースに公共事業のあり方を考えるメッセージにもなったと思う」と評価する。
青柳氏は、建設会社の経営者であれば、「皮膚感覚で『今年は機械を買おう』とか『人を雇おう』ということを理解しながら行動している」と指摘。限界工事量を単に数字論として捉えるのではなく、「災害対応を担うために必要な事業量という考え方、理念、哲学であり、受発注者が認識し合うプラットフォームと考えていくべきだろう」という。
限界工事量を物差しにして、「各種指標と比較しながら地政学的に地域建設業の実情を捉えていくことが欠かせない」とし、それによって、中山間地域と平野部では状況が異なるなどさまざまな問題点が浮き彫りになるとみる。
残り50%掲載日: 2018年1月23日 | presented by 日刊建設工業新聞