当サイトについて 採用ご担当者様
会員登録はこちら 求人検索

建設技術者向けNEWS

建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!

  • セメント4社/国内需要の低迷影響/停滞継続を懸念、海外市場に活路

     東日本大震災からの復興需要や首都圏における五輪需要の収束、建設現場の慢性的な人手不足などを背景に国内のセメント需要は低調に推移。大手4社における2020年3月期の決算は総じて前期からの減収となった。首都圏を中心とする需要の停滞に“コロナショック”による先行きの不透明感も相まって今後も国内需要の低迷が続くことになりそうだ。

     

     国内におけるセメント需要は前期比3.8%減の4097万t。この国内需要の低迷が各社の業績に色濃く反映される結果となった。

     

     実際に太平洋セメントの国内における販売数量(受託販売分を含む)は前期比5.0%減の1447t。輸出数量は10.8%増の386万tとなったが、低調に終わった国内需要の停滞を完全にはカバーできていない。

     

    3072セメント大手4社の2020年3月期決算

     

     生産コストの削減によって増収を確保した住友大阪セメントも同様に国内における販売数量は1.8%減の876万tと前期からの減少で着地。三菱マテリアルと宇部興産も国内需要の停滞から思うように売り上げが伸びていない。

     

     近年の需要を下支えしてきた東日本大震災からの復興需要や、首都圏における“五輪特需”の収束だけでなく、深刻化する建設現場の人手不足に起因する働き方改革への要請が工期の長期化やプロジェクトの遅延を誘発。東京五輪の延期や新型コロナウイルスによる影響など、先行きに不透明な要素が存在している状況からも今後を楽観することはできない。

     

     とりわけ投資マインドの変化も懸念される中、ゼネコン各社が今期の業績予想にプロジェクト(計画)の取り止め・延期といったマイナス影響を織り込んでいることからすれば、今期も国内需要の停滞が継続する公算が高い。

     

     米国だけでなく、フィリピンやベトナムなど、 既に海外での実績を積み上げている太平洋セメントは、4月にインドネシアの国営セメント企業との資本業務提携を発表。 成長が著しいインドネシア市場の需要を取り込むなど、 継続して事業領域の拡大を目指す。

     

     住友大阪セメントも22日に発表した20年度から3カ年の中期経営計画で海外事業の一層の強化を明記。 22年4月をめどに関連事業を統合する三菱マテリアルと宇部興産も長期戦略として、 製造部門の統合による事業基盤の強化と海外市場における成長を狙う。

     

     国内需要の増加が見込めない状況だからこそ、各社の海外市場への視線は熱い。

    残り50%
    ログインして続きを読む 会員でない方はこちらよりご登録ください

    掲載日: 2020年5月28日 | presented by 建設通信新聞

前の記事記事一覧次の記事