建設技術者向けNEWS
建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!
-
AIで業務を分析・改善/年間39日分の労働削減見込む/橋本店 ASPが効果、朝礼短縮も
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>橋本店(仙台市、佐々木宏明社長)は、業務効率化による働き方改革を推進する。富士通が開発したAI(人工知能)「Zinrai for 365 Dashboard」を活用して全社員約180人の業務実態を分析。それによると2019年度の土木部と建築部社員1人当たりの平均延べ労働時間は年間1919時間(月160時間)だった。これをASP(工事情報共有システム)活用など13項目の改善内容に取り組むことで、1人当たり39日分に相当する年間313時間の削減効果が得られるとしている。同社の期首となる7月から取り組みを本格化させる。佐々木社長は「伝統は改革の連続であり、これからの時代にはデジタル・トランスフォーメーション(DX)や技術革新が必要だ。建設業界全体の参考にしてほしい」とコメントしている。
業務改善による効率化追求と生産性向上を図っている同社では、現場の業務が繁忙傾向にあるものの、その実態を十分に可視化できていなかった。Zinraiは電子メールや文書のタイトル、スケジュールなどのビッグデータとパソコンの利用状況をAIで解析し、業務内容を分類・可視化できる。
昨年4月からことし3月までの現場部門の年間労働時間1919時間の内訳は、発注者対応が595時間(31%)、現場対応1061時間(55%)、社内対応263時間(14%)。時間外労働時間は全社が年間445時間(月37時間)で、土木部(86人)が年間456時間(月38時間)、建築部(65人)は477時間(月39時間)、総務・営業(21人)は300時間(25時間)となっている。
同社では、データ収集や分析と並行して現場視察などで課題を把握しているほか、ワークショップなどを踏まえて、13項目の改善計画内容を作成。これを実施することで、年間313時間(月26時間)の削減を見込んでいる。改善後の社員1人当たりの平均時間外労働時間は全社が年間161時間(月13時間)で、土木部143時間(月12時間)、建築部164時間(月13時間)。総務・営業226時間(月18時間)と試算。特に現場で高い効果が期待される。
改善内容のうち、最も高い効果を期待するのが国土交通省の直轄工事で一般化されている「ASP」だ。例えば書類提出は、1週間に1回往復1時間の移動時間がなくなることで年間46時間の削減効果を見込んでいる。
これに次ぐのが「朝礼時間の短縮」の36時間で、現場朝礼による移動時間の短縮や要点を絞った説明に切り替えることで、既に主要現場の平均朝礼時間を14分程度にしている。
このほか、最近では移動自粛期間中、北海道で製作している鋼製ゲートの検査などに力を発揮した「ウェアラブルカメラによる打ち合わせ」「電子黒板の採用」「ビルディによる業務管理」でそれぞれ31時間程度の縮減を期待している。
内製化しているBIM/CIMは、時間軸を加えた4D化を推進。施工イメージや仮設計画の“見える化”で手戻りの防止や複雑な構造の干渉チェックなどに効果を発揮しているという。
また、全協力会社との注文契約や出来高査定にはCI―NET(電子商取引)を活用するなど、社内対応業務のRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)化も進めており、関連する業務効率の大幅な改善とともに人的ミスの削減にもつなげている。
残り50%掲載日: 2020年6月8日 | presented by 建設通信新聞