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  • 清水建設/“花びら形状”拡底杭を開発/400m級超高層に対応

    【底面積極大化で支持力向上】

     

     清水建設は、高さ400m級の超高層ビルをより経済的に建設することを目的に1本当たり100メガニュートン(約1万t)という高い支持力を発揮する場所打ちコンクリート杭「花びら拡底杭」(杭基礎)を開発した。支持力を高めることで、工期短縮にメリットがある逆打工法をより円滑に進めることが狙い。積極的な提案活動によって、超高層案件の受注につなげる。

     

     基礎工事の設計・施工や杭の製造・販売を手掛ける丸五基礎工業(大阪市)との協力によって開発した。

     

     最大の特徴は、従来の拡底杭の2倍近い杭底面積の確保。杭底面積の“極大化”によって1本当たり100メガニュートンという非常に高い支持力を生み出す。

     

     というのも、近年のいわゆる大規模プロジェクトは高層化やスパンの長大化が進展している。これまで杭の本数を増やすことで、建物を支える杭に求められる支持力を発揮させてきたが、掘削土量の削減や施工性の向上が課題となっていた。

     

     新たに開発した「花びら拡底杭」はこうした課題を一手に解消。従来手法との比較で排土量の低減や施工期間の短縮といったメリットがある。

     

     実際に花びら拡底杭の(設計有効)底面積は1本当たり最大33.5㎡(直径≒6.7m)。高強度コンクリートを用いることで最大100メガニュートンもの高い支持力を発揮するという。

     

     地下20-40mに支持層が広がる都心部で同等の支持力を持つ杭を構築する場合、従来よりも排土量が20%-33%も減少。逆打工法で建設する超高層ビルに適用すれば、大幅な工期短縮が期待できる。

     

     ポイントとなっている杭底面積の極大化を可能にしたのが、杭下端部の新たな拡底掘削方法だ。

     

     従来と同様に拡底掘削機を用いて杭底部の中心で1回拡底掘削した後に、掘削機を杭底部の中心から水平方向かつ同心円上に移動させて2-8回繰り返すことで“花びら形状”の拡底杭を構築する。一連の掘削作業は拡底掘削機の先端に突起(スタビライザー)を装備するだけという施工性の高さも売りとなる。

     

     既に実物大(3体)の試験施工を実施。日本建築センターから施工法の有効性を証明する評定を取得している。

     

    ■逆打工法でのメリット 施工中の建物荷重を支える杭を最初に打設して、地上と地下の躯体を同時に施工することで工期短縮を図る逆打工法は、ビルの地下躯体が完成するまで杭だけで施工中のビルの全荷重を支える。杭の支持力によっては地上階の施工が制約を受けるケースもあるが、高い支持力を持つ「花びら拡底杭」を適用すれば、そうした制約を受けない。

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    掲載日: 2020年6月8日 | presented by 建設通信新聞

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