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  • 空調上場6社の2020年3月期連結決算/増収3社、減収は3社/全社が営業増益に

     空調設備工事を主力とする上場大手6社の2020年3月期連結決算は、高砂熱学工業、ダイダン、朝日工業社の3社が増収、大気社、三機工業、新日本空調の3社が減収となった。利益面では6社すべてが営業増益となった。受注高はダイダンだけが伸ばし、5社は減少した。21年3月期の業績予想は、三機工業を除く5社が新型コロナウイルス感染症の影響によって、現時点で合理的に業績予想を算出することが困難なため未定とした。

     

    3134空調設備工事上場6社の2020年3月期連結決算

     

     高砂熱学工業は、売上高、各段階の利益がいずれも創業以来の最高額を記録した。一般空調分野、産業空調分野とも繰越工事が順調に進捗し全体の利益を押し上げた。売上総利益率も13.5%と、4期続けて13%台を確保した。受注高は一般空調の14.9%減が響いた。今期が最終の中期経営計画の売上高と経常利益の目標を達成した。

     

     大気社は、売上高がほぼ横ばいだった。環境システム事業の海外はタイなどで減少したものの、国内のビル空調、産業空調とも増加した。完成工事総利益率は16.7%だった。受注高は、塗装システム事業の受注減が響き減少した。ただ、環境システム事業は、国内の産業空調で前期に大型案件受注の反動減があったものの、国内ビル空調や海外で増加したことから同事業の受注高は前期を上回った。

     

     三機工業の受注高は、建築設備の産業空調が前期に大型案件を受注したことの反動減が影響し前期を下回った。売上高も産業空調が前期に好調だったことの反動で減収となった。ただ、ファシリティシステムなどは堅調に推移している。売上総利益率は、継続的な原価管理の徹底、作業効率向上の取り組みなどによって0.6ポイント改善の15.5%と高水準を維持している。

     

     ダイダンは、受注高、売上高とも順調に伸ばした。受注は、産業施設や首都圏再開発案件の受注増や、シンガポールで前期に引き続き大型の電気工事の獲得が寄与した。完成工事高は、潤沢な手持ち工事が順調に進捗し増収となった。完成工事総利益率は12.4%だった。

     

     新日本空調は、大型案件の期ずれや計画延期が響き、前期から受注が減った。ただ、原子力施設設備工事は受注を伸ばした。売上高は減収だが、今期の計画値は達成した。完成工事総利益率は11.8%となっている。

     

     朝日工業社の受注高は、設備工事、機械製造販売とも前期を若干下回った。 主力の設備工事は流通環境施設や健康・医療環境施設を伸ばしたものの、 生産環境施設などの受注が減った。 売上高は、設備工事の生活・文化環境施設が大幅な増収となった。 売上総利益率は9.9%だった。

     

     21年3月期の業績見通しは、新型コロナの影響を現時点で合理的に算出することが困難なため、高砂熱学工業、大気社、ダイダン、新日本空調、朝日工業社の5社が未定とした。 顧客の設備投資計画への影響、 感染拡大防止と安全確保に向けた取り組みによる施工活動への影響などが業績に与える影響度とその期間が見通すことができないためだ。5社のうち、 ダイダンは売上高の減少を想定している。

     

     三機工業は新型コロナの影響を織り込み、中期経営計画の目標である売上高と経常利益の達成を目指している。

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    掲載日: 2020年6月15日 | presented by 建設通信新聞

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