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軟弱地盤への対応必要/有楽町線延伸で課題共有/国、都、東京メトロ
// 本文の表示 画像がセットされていない場合は、画像分の余白ができてしまうのでtxtクラスは使わない。 ログインしていない場合も画像は表示しない。?>国と東京都、東京メトロの3者による地下鉄8号線(東京メトロ有楽町線)の延伸(豊洲~住吉間)に向けた技術的課題の検討が進んでいる。5月下旬に開かれた会合では、本線部分の施工方法などが話し合われ、江東区の低地帯が広がる本線エリアでは地盤の弱さを踏まえた建設計画の必要性などが指摘・共有された。また、新型コロナウイルス感染症に関し、外出自粛に伴う利用料金収入の減少などを踏まえ、感染者数の増加が一定程度収まった現状においても引き続き影響を注視していくことを確認した。
有楽町線の延伸は、江東区内の東京メトロ半蔵門線住吉駅から東京メトロ東西線東陽町駅をつなぎ、東京メトロ有楽町線豊洲駅までの約5.2㎞区間が対象。
本線部の施工は、おおむねシールド工が想定されるが、臨海部の豊洲との接続では、運河や河川の地下を通過する個所が多く、護岸や橋梁の基礎などの支障物が問題となる。検討会では、橋梁基礎の下受けが可能であるかや、地下鉄のシールドに対応した支障のない基礎構造で橋梁を架け直す場合に合理性があるかなどが議論されている。
江東区は、東部低地帯と呼ばれる軟弱地盤が広がっており、基礎杭などが地盤深くに到達している部分もある。これらは、地上を通過する道路の交通状況や、地下の個所別の問題になるため、さらなる検討の深度化が必要になる。
橋梁の位置などは変更が難しいため、地下鉄整備に合わせてシールドトンネルに対応した橋台を設置し直すなどの工夫も必要となる可能性がある。ただ、地下の状況を現時点で完全に把握することは難しく、施工個所ごとに個別の対応を迫られそうだ。
新型コロナウイルスに関しては、感染拡大防止に伴う外出の自粛要請などもあり、東京メトロを始めとする都内の鉄道で一時的に利用客が大きく減少した。
鉄道事業は利用料金収入が経営に大きく影響することから、利用客の増減は運行計画などを検証する上では無視できない。現在は、徐々に利用者は回復しつつあるものの、ウィズコロナの新しい社会の中で生じる影響を、引き続き注視していく必要があることを3者で確認した。
検討会は、今回で3回目となる。検討会全体の会合の回数や設置期間は決めておらず、必要に応じて開催している。今後は、本線工事とともに前回の課題に上っていた豊洲・東陽の両駅の構造や施工方法なども話し合われる見通しだ。
残り50%掲載日: 2020年6月19日 | presented by 建設通信新聞