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  • 偽装一人親方/不健全・不公平な働き方に歯止め/国交省検討会が初会合

     国土交通省は25日、建設業の一人親方問題に関する検討会の初会合を開催した。学識者と元請団体、一人親方が多い業種の専門工事業団体などが参加し、社会保険加入や働き方改革などの規制逃れを目的とした“偽装一人親方化”への対策を検討する。年度内に検討結果をまとめ、下請指導ガイドラインに反映するなど実行性ある措置を講じる方針だ。

     

     会議の開催に当たってあいさつに立った同省の美濃芳郎官房審議官は、偽装一人親方化による業界のイメージ悪化や、公平・健全な競争環境の阻害、本人が必要なセーフティネットにかからないといった問題を挙げ、「技能者の処遇改善という観点はもちろんのこと、公平・健全な競争環境の確保という観点からも、一人親方問題にしっかりと向き合い、不健全・不公平な働き方に歯止めをかけるべく、皆さんと一緒に実効性ある対策を進めていきたい」と訴えた。

     

     検討会の座長には蟹澤宏剛芝浦工業大教授を選任。蟹澤座長は、「一人親方の検討会を行政が開くのは画期的なこと」だと切り出し、「問題なのは本来の意味の一人親方ではなくて、(あえて偽装一人親方として働かせている)使用側と、一人親方であることを無自覚のまま働いてきた人だ。この産業の積年の課題であるので、協力をお願いしたい」と呼びかけた。

     

     検討の焦点となるのは偽装一人親方への対応方針だ。社会保険加入や働き方改革などの規制逃れを目的として、社員(労働者)を一人親方(個人事業主)として働かせることは、年金受給額などで本人の処遇が悪くなるだけでなく、適切な法定福利費を支払わない企業が競争上優位になるなど多くの懸念事項がある。

     

     実効性のある偽装一人親方対策を打ち出すため、検討会では、各職種(団体)における偽装一人親方に対する認識や現状、対策の取り組みなどを確認した上で、「偽装一人親方」と「適法な一人親方」の定義付けの検討を行う。

     

     定義付けによる線引きを基に、偽装一人親方として仕事をさせている企業に対する措置や自らを偽装一人親方と認識できていない技能者本人への対処、現場での確認作業に建設キャリアアップシステムを活用する方策などをまとめていく。あわせて、適法な一人親方の処遇改善についても検討する。

     

     8-9月の次回会合で職種別の実態ヒアリングを行い、年末の第3回会合で対策の骨子案を作成。年度末に開く第4回会合で取りまとめを行い、下請指導ガイドラインに反映する予定だ。

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    掲載日: 2020年6月26日 | presented by 建設通信新聞

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