当サイトについて 採用ご担当者様
会員登録はこちら 求人検索

建設技術者向けNEWS

建設技術者の方が知りたい情報を絶賛配信中
会員登録いただくと無料で閲覧可能です!

  • 脳・心臓疾患32人増131人/建設業の過労死など労災補償請求/厚労省

    【精神疾患は減少の93人】

     

     厚生労働省は26日、2019年度の過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患と、仕事による強いストレスなどが原因で発病した精神障害などの労災補償状況をまとめた。建設業の「過労死」など脳・心臓疾患の労災補償請求数は、前年度と比べ32人増の131人だった。19年度に業務上か業務外かを決めた「決定件数」は、19年度以前の請求も含めて88人で、うち業務上の疾病と認定して労災保険給付を決定した労災認定は17人だった。また、建設業で働き過ぎや上司らとのトラブルで、うつ病などの精神疾患にかかり、自殺などによって労災補償を請求したのは、前年度から36人減少の93人。19年度の「決定件数」は、19年度以前の請求も含め89人、うち労災認定は41人だった。

     

     全業種に占める建設業の割合は、脳・心臓疾患の請求数が14.0%、労災認定数が7.9%。精神障害は請求数が4.5%、労災認定数が8.1%となる。建設業の脳・心臓疾患請求数は、主要10業種の中で「運輸業・郵便業」「卸売業、小売業」に次いで3番目に多かった。

     

     脳・心臓疾患の労災請求数の内訳は、総合工事業が前年度比32人増の70人、設備工事業が11人増の33人、設備工事業を除く職別工事業が11人減の38人。請求数の多い上位15業種(日本標準産業分類の中分類)の順位でみると、3位、6位、8位が建設業となる。

     

     労災認定数(上位15業種)では、総合工事業が5位で10人、設備工事業が12位で4人、設備工事業を除く職別工事業が3人で15位だった。労災認定を受けた総合工事業のうち5人、設備工事業のうち3人が亡くなっている。

     

     また、職種別(日本標準産業分類の大分類)では、「建設・採掘従事者」の請求数は89人。決定数は58人でうち労災認定が7人だった。

     

     請求の多い上位15職種(中分類)でみると、建設躯体工事従事者を除く建設従事者は44人で5位、土木作業従事者が22人で15位だった。労災認定では、建設躯体工事従事者を除く建設従事者が3人で14位で、土木従事者は上位15位には入っていない。

     

     「専門的・技術的職業従事者」に入る「建築・土木・測量技術者」の請求数は45人。労災認定は13人で、うち6人が亡くなっていた。上位15職種の中で請求数、労災認定とも4位となる。

     

     一方、精神障害などの請求数では、請求の多い上位15業種(中分類)の中で総合工事業が10位で54人だった。労災認定数では総合工事業が28人で4位となっている。労災認定28人のうち12人は、未遂を含む自殺だった。

     

     職種別(大分類)では「建設・採掘従事者」の請求数は46人。決定数は36人でうち労災認定が9人だった。請求数、労災認定数とも上位15職種には入っていない。

     

     専門的・技術的職業従事者の建築・土木・測量技術者は、請求数で上位15職種に入っていないものの、労災認定数では27人で5位だった。労災認定の27人のうち、未遂を含む自殺は11人となっている。

     

     精神障害の原因となった出来事をみると、業種に関係なく、▽仕事の内容や量を大きく変化させられた▽(ひどい)嫌がらせ・いじめ・暴行▽悲惨な事故や災害の体験、目撃▽2週間以上にわたって連続勤務▽1カ月に80時間以上の残業▽セクシュアルハラスメントを受けた--が目立つ。

    残り50%
    ログインして続きを読む 会員でない方はこちらよりご登録ください

    掲載日: 2020年6月29日 | presented by 建設通信新聞

前の記事記事一覧次の記事