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  • 初の2兆円超え/1つの節目クリア/19年度海外建設受注総額

     海外建設協会(蓮輪賢治会長)の会員企業51社の海外建設受注実績(受注総額)が2019年度に初めて2兆円を超えた。山口悦弘副会長・専務理事は「1つの節目をクリアした」背景として、「会員各社が海外受注に向けて重ねてきた努力が実を結んだ」と分析する。ただ、20年度以降は新型コロナウイルス感染症の影響が受注面で表面化する可能性が高いことから、世界的な動向を注視しながら、協会活動に反映していく方針だ。

     

     同協会の「2019年度海外建設受注実績」によると、受注総額は前年度比6.4%増の2兆0608億8900万円。内訳は、本邦法人が9.7%増の7718億1700万円と安定的に推移し、現地法人は4.5%増の1兆2890億7200万円で、過去最高を更新した。構成比は本邦法人が37.5%、現地法人が62.5%と、ともに横ばいとなっている。

     

     地域別では、アジア(3.4%増の1兆1883億1400万円)と北米(15.4%増の5463億3200万円)で全体の8割以上を占め、両地域の堅調さが受注総額を押し上げている。

     

     また、アフリカは2.5倍増の917億2600万円で、ケニア、マダガスカルのODA(政府開発援助)案件が要因だ。中東・北アフリカは59.6%増の189億1000万円、中南米は3.5%増の274億3900万円だった。

     

     一方、欧州は49.9%減の125億9600万円、東欧が32.9%減の558億2100万円、大洋州が9.0%減の1197億5100万円と落ち込んだ。

     

     資金源・発注者別では、民間・現地企業からの受注が26.1%増の9703億円、ODAの円借款案件が15.3%増の3709億円と大きく伸びた。民間・日系企業は24.2%減の3987億円、現地の公共工事が2.4%減の2308億円となった。

     

     国別の受注額は米国、シンガポール、台湾、フィリピン、タイ、オーストラリア、ベトナム、インドネシア、バングラデシュ、中国が上位だった。

     

     件数は4.3%減の2116件、1件当たりの受注金額の規模が大きくなっている。

     

     山口副会長は、「19年度第4四半期と20年度第1四半期で新型コロナウイルス感染症の影響はみられない」としながらも、海外受注の主戦場であるアジアや北米、受注額が増加しているアフリカを始め、世界的に予断を許さない状況が続くことから、「(受注面で)今後、厳しい環境に置かれることをある程度覚悟している」という。

     

     ただ、同感染症に伴う建設業の課題は「作業時の安全対策、工期延伸や費用負担などの契約上の問題、人材や資機材のサプライチェーンの確保は(世界的に)共通する」ため、「国際建設業団体連盟(CICA)を通じて各国の情勢を把握し、会員企業を支援する活動を展開したい」考えだ。

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    掲載日: 2020年7月1日 | presented by 建設通信新聞

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