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  • コンクリ施工品質の向上/最適打込み計画を作成/打ち重ね時間間隔2割短縮/大成建設

     大成建設は、現場打ちコンクリートの施工品質の向上を目的に最適な打ち込み計画を自動作成する支援システム「T-Con・PAS」を開発した。最適な打ち込み計画を導き出すことで、コンクリートの打ち重ねによって生じるコールドジョイントの発生リスクを低減できる。施工品質の向上に役立つツールの1つとして、全国の現場で積極的な活用を見込む。

     

     現場打ちコンクリートの初期欠陥の防止など、コンクリート構造物の品質にとって、打ち込み時間の管理が重要である点に着目。とりわけ先に打ち込んだコンクリートに、新しいコンクリートを打ち重ねるまでの時間の差(打ち重ね時間間隔)を短縮することで、コールドジョイントの発生リスクを低減していく。

     

     システムによって最適な打ち込み計画を自動計算できることから、構造物の形状やコンクリートポンプ車の配置、打ち込み量などさまざまな施工条件を基にこれまで現場の技術者が行っていた事前の検討作業(打ち込み順序など)に要する時間的コストの削減にも役立つ。

     

     現場ごとに技術者(担当者)の経験に基づいて打ち込み計画を作成する従来の対応は、検討項目が多岐にわたるため、検討作業が煩雑で何よりも技術者の経験に依存せざるを得ないという課題があった。

     

     打ち込みのブロック割りやポンプ車の圧送能力・台数・配置などの施工条件を入力するだけで、最適な打ち込み順序や打ち重ね時間間隔などを瞬時に自動計算して出力する、このシステムを活用すれば、技術者の経験に依存することなく、誰でも最適な打ち込み計画を策定することが可能。施工品質の向上や、検討作業の時間短縮による生産性の向上が見込める。

     

     同社は、天ケ瀬ダム放流設備建設工事(京都府)など2件のダム建設工事に同システムを試行。技術者が作成した当初の打ち込み計画案との比較で最大打ち重ね時間間隔がおおむね2割程度も短縮できることを確認した。

     

     実際に打ち込み順序と打ち重ね時間間隔を3次元画像で視覚的に確認することも可能。当初案よりもコールドジョイントの発生リスクが低減していることが分かる。

     

     同社は今後、ダムやトンネル、橋梁などの土木分野だけでなく、建築分野を含めたコンクリート構造物の品質の向上に役立つツールとして、全国の現場で積極的に活用していく方針を示す。

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    掲載日: 2020年7月6日 | presented by 建設通信新聞

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